【炎炎ノ消防隊】青い瞳が映す世界。9 (ページ10)

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167.行こう！ページ10

～no side ～

桜備「A アーサー」

鎮魂後、後始末を終えて教会に戻ったAたち。

森羅、茉希、環、アイリスは

着替えた後、再び繁華街でお買い物を再開した。

桜備「お前たち2人も

これから出かけてきたらどうだ？」

貴方「え？」

桜備「今からだと遠くには行けないが

せっかくの休暇だ。2人で出かけてくるといい」

貴方「でも、まだ……」

桜備「なに、書類の作成ならほとんど終わってる。

残りは俺がなんとかする。火縄中隊長もいるしな」

火縄「まったく桜備大隊長が

もう少し早く言ってくれればよかったですね」

Aはアーサーの方を見ると

アーサーはAを見て笑みを浮かべていた。

火縄「後は俺に任せろ。行ってこい」

火縄までもが、優しい顔を向けていた。

アーサー「行くぞ A」

貴方「わっ」

アーサーはAの手を取って

その場から走り出した。

・

アーサー「Aはどこへ行きたい？」

貴方「えっと……」

キラキラな笑顔を向けられ、

アーサーに手を繋がれたまま歩くA。

アーサーのどこへ行きたいの質問に対して

Aは困っていた。

なぜなら、そんなことを

考えたこともなかったからだ。

買い物に行くような身近な場所以外

Aにはわからなかった。

貴方「……」

思わず悩んでしまい、

自分が暗い表情になっていることに

Aは気づかなかった。

アーサー「……」

アーサーはそんなAの表情を見て少し考える。

アーサー「…なら、Aは何がしたい？」

貴方「！」

アーサーの言葉にAは目を見開き

思わず足を止めた。

アーサーも足を止め、優しい笑みを向けて

Aへと振り向いた。

何がしたいか……

そんなの、決まっていた。

貴方「…行こう！アーサー」

アーサー「？…！」

今度はAがアーサーの手を取って

走り出した。