【炎炎ノ消防隊】青い瞳が映す世界。9 (ページ11)

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168.俺たちの秘密にしておけばいいページ11

～no side ～

そのまま走り続け、気づけば町を抜け

2人は広々とした丘に立っていた。

丘から見える街を見下ろし、

Aは手のひらを空にかざす。

アーサー「…A？」

貴方「私はね、アーサーが隣にいるだけで…

それだけで、十分なんだよ」

Aは手のひらから炎を出す。

だが、いつものように鳥の姿ではなかった。

アーサー「！こ、れは…」

アーサーの目がキラッと光る。

貴方「ペガサス…だよ」

Aが想像して作り出した炎のペガサス。

馬に翼があるという

アーサーが恋しい生き物だった。

アーサーは全身が震えていて歓喜に包まれていた。

貴方「アーサーと一緒に、空を飛びたい」

Aはニコリと笑って言った。

仕事の時、何度か Aの火楽に乗ることは

ある為、決して初めてのことではない。

けれど、Aはゆっくりと

アーサーと一緒に空を飛んでいたかったのだ。

仕事や任務ではなく、プライベートで_____

貴方「アーサー、乗って…くれる_____」

不安げに聞いてみるA。

だが、その必要はなかった。

バッ

貴方「！」

突然のことで、目を丸くするA。

Aの光る水色の瞳がアーサーを映す。

そのアーサーは優しい笑みを Aに向けていた。

アーサーは素早く Aを横抱きしたのだった。

貴方「え…あ…え？」

顔を真っ赤にしながら困惑するA。

アーサー「騎士王が姫を馬の前で抱くことは当然だ」

アーサーはAの顔に近づけて言う。

そのまま、Aを抱えながら

先にAを馬へと乗せる。

次にアーサーがAを包むように

後ろに乗ると、

アーサー「ハイヨーシルバー!!」

貴方「……………ふふ」

炎のペガサスの火楽は

自分の翼を羽ばたかせ、空高くへと飛んだ。

貴方「……バレたら怒られちゃうね」

アーサー「ふッ俺たちの秘密にしておけばいい」

貴方「そうだね」

Aとアーサーは笑いあう。

すると、少ししてアーサーが表情を曇らせる。

アーサー「…無理は、してないか？」

貴方「え？」

アーサー「俺は喜ばしいが発火能力を使って…」

Aは前を向いてポツリと呟くように言った。