87.笑えているのなら それでいい ページ10
〜no side 〜
貴方「あの、少しよろしいですか？」
その不安そうな声は
微かにあの頃を思い出させる姿だった。
紅丸「…その心配性なところは
あの頃と変わっちゃいねェな。こっちこい」
Aはホッとした表情をすると
部屋に入って襖を閉め 紅丸と紺炉の前に座った。
紺炉「姉ちゃん、名前はなんて言うんだ？
あの頃は聞かなかったからな」
貴方「あ、申し遅れました。
……"赤翼 A"と言います
一応、第8特殊消防隊 二等消防官です」
紺炉「？一応？」
貴方「特殊消防官の資格を取ったのは1年前です。
ですが 任務に出たのは最近で
森羅たち 新人と同じです。
恥ずかしながら、部屋から出られなかったので」
Aは自分を嘲笑うように言い
下を向きながら話した。
紺炉「…でも今は前を向いてるじゃねェか。
それでいいだろ」
紺炉の優しい笑みと言葉に
Aはつられるように笑っていた。
紅丸「……」
先程から黙ってこちらを見る紅丸に
Aは首を傾けた。
紅丸「……笑うようになったな」
貴方「！」
紅丸「……俺は正直、あの時のお前を見て
笑う姿なんて想像もできなかった…
俺にはこいつを救えないって思ったんだ…」
紅丸の目に映ったAの姿は
"誰も信じない"と言わんばかりの目をしていた。
自分が何を言ったところで
Aの心には響かない まさにそうだったのだ。
だからあの時の紅丸は
今の自分に精一杯できることをした。
"逃げろ"と、どこまでも逃げて
世界を見て欲しいと思った。
きっとどこかに、この子を救える奴はいる。
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ゆいにゃー(プロフ) - 菫さん» わ、わ、素敵なコメントありがとうございます!!そして、こんな自己満作品をここまで読んでくださり、本当にありがとうございます！嬉しい限りです!!これからも頑張って書いていくので、宜しくお願いします(^^) (2020年9月27日 23時) (
レス) id: df4c614de9 (このIDを非表示/違反報告)
菫 - いつも、楽しくこのお話を読んでます！これからも更新頑張って下さい(*´∀｀)♪応援してます!! (2020年9月27日 21時) (レス) id: ad094d6d8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆいにゃー
| 作成日時：2020年9月27日 15時
