【炎炎ノ消防隊】青い瞳が映す世界。 (ページ6)

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「あっつ」

貴方「！や、やめて…私は大丈夫だから」

震えた声で鳥に声をかけるが

鳥は私の声なんて聞いてくれない。

っ、嫌だ。

私はこうして能力を上手く制御できない時がある

そしてそのまま鳥は

男の子に向かって跳ぼうとした。

「A！」

貴方「っ！」

背後から突然視界を奪われた。

その声は秋樽さんの声で

彼の手が私の背後から大きな手で私の目を覆う。

秋樽「落ち着け。大丈夫だ」

貴方「っ……」

私はゆっくりと深呼吸を繰り返す。

秋樽「…よくできたな」

秋樽さんが私の目から手を離すと

目の前にいた炎の鳥は消えていた。

貴方「…」

私は足から崩れるように地面に座り込んだ。

貴方「…ごめん、なさい…」

私は地面に視線を落としつつ 2人に謝った。

「え、と…あの…」

目の前の男の子は

状況を飲み込めていないようだった。

…無理もなかった。

秋樽「…森羅、ここでの出来事は

自分の中に留めておけるか？」

森羅「！」

秋樽「誰にも言わないと、約束できるか？」

森羅「はい！もちろんです！」

秋樽「…困惑してる中、悪いな」

秋樽さんは森羅さんと話をしていた。

秋樽「ほら、立てるか、A？」

貴方「…」

私は必死に足に力を入れ

下を向いたまま立ち上がった。

貴方「ご、ごめんなさ…」

秋樽「もういいから、な？」

泣きたいのを堪えるように唇を噛む。

その時、

森羅「俺、さっきのこと気にしてませんから」

優しい声が聞こえ思わず森羅さんの方を向く。

彼は笑顔を向けたまま私に言った。

森羅「それにしても今の能力凄かったです!!」

彼のキラキラした目とその言葉から

私は逃げるように再び下を向いた。

森羅「あれ、どうやってるんですか!?

手のひらからこう…」

秋樽「森羅、悪い。いいか？」

森羅「え？…！は、はい…

ごめんなさい、俺…」

私は首を横に振り、彼に背を向けて歩き出す。

秋樽「……悪い、ひとりで戻れるか？」

貴方「…はい」

おそらく、彼に私のことを話すのだろう。

もう隠せもしない、から…

私はそのまま屋上から出ていった。