【炎炎ノ消防隊】青い瞳が映す世界。 (ページ5)

今日:5 hit、昨日:25 hit、合計:216,678 hit

3.私は大丈夫だからページ5

～貴方side ～

私は屋上に着くと地べたに座った。

冷たい夜風が私の頬にあたる。

…あたりに誰もいないことを確認する。

誰もいないことを確認した私は

自分の手のひらを上に向ける。

貴方「…おいで」

私は手のひらから炎を出す。

その炎はたちまちに姿を変えるように

くねくねと動く。

貴方「…ふぅ」

炎に向かって軽く息を吐くと

その炎は小さな鳥の形になった。

炎の鳥はパタパタっと翼を羽ばたかせ

私の周りをクルクルと飛び、頬に体を擦り付ける

貴方「ふふっ、くすぐったいよ」

私の能力は手のひらから炎を出し

その炎を生き物に変える能力。

生き物と言っても作りやすいのは鳥だ。

この炎は私にとっては熱くない炎。

だからこうしてこの鳥がくっついても

普通に暖かく優しく感じる…それだけ。

普段笑わない私だが

こうして炎で鳥を作ると自然とえみが溢れる。

…炎は嫌い…嫌い、だけど

この子は私の大切な唯一の…_____友達だ。

ガタッ

貴方「！」

私は物音に驚くと立ち上がる。

私が驚いたせいで先程作った鳥は消えてしまった

「す、すみません!!邪魔をするつもりは…」

見たことのない人だった。

…そうか、この人が秋樽さんの言ってた新人さん

私は頭をペコペコと下げる彼から視線を逸らす。

「ところで、貴方は_____」

貴方「っ!?」

貴方は誰ですか。

そう聞こうとしたのだろうと私は察する。

なぜなら彼は私の存在を知らないはず…

部屋に引きこもっている私のことなんて。

私はとっさに逃げようと屋上の出口へと走る。

「！待って下さい！」

が、当然出口の近くに彼がいるため

当然と腕を掴まれてしまった。

貴方「っ!?やめて_____」

私は男の子の手を振り払った。

次の瞬間____

「うおっ!?」

私の手から炎が溢れ、

その炎は見る見るうちに大きな鳥に変化していく

「ゔぉおおおおおおっ」

大きな炎の鳥は私を背に隠し

男の子を威嚇するように叫ぶ。