14. 幸せだった…と、思う ページ31
〜貴方 side 〜
私は、普通の家庭に産まれた。
優しい母と優しい父。
父は消防隊に入っていたが
人命救助を優先してしまい、現場で殉職した。
父が亡くなったのは、私が産まれたばかりの時で
ほとんど記憶にはないが
母が泣いていた姿は どうしてか覚えている。
貴方「………泣か、ないで…お母さん…
私…私がいるよ?…ねぇ…」
だから私は お母さんの為に頑張るって決めた。
私の前では無理して笑う母を
なんとか心の底から笑わせようと 傍にいた。
母のお腹には赤ちゃんがいた。
その事実が発覚して、更に苦しそうな母だったが
しばらく過ごしていくうちに
変わらない、普通で笑顔の母に戻った。
それから、母は私の妹となる"カナ"を産み
私達は3人で仲良く暮らしていた。
幸せだった…と、思う。
だけど、幸せなんて束の間で
あっという間に崩れ去るんだなって…
…思い知らされた。
私はその日、外に出かけていて
家に戻ったら…
貴方「お母さん!カナ_____」
ドガッ
熱い空気と崩れていく天井。
…炎が私の家を覆っていた。
私は震えた足で母とカナを探す。
その時、母が炎の中心にいたのを見つける。
「A!逃げなさい!」
貴方「お、母さ…」
「逃げて_____」
…お母さんが、燃えてる…?
燃えて…炎に包まれて…_____燃える。
貴方「いやああああああああああっ」
私はその場で叫んだ。
私の能力に目覚めたのは その時だった。
私の手のひらから 炎が出てくるなり
その炎が大きな鳥に変化して
私はその炎に包まれる。
気がつけば、家の外に出ていて
消防隊の人たちが消火活動をしていた。
…私は、あの自分の炎によって
外へと運ばれた…?
変な話、炎が私の家族を奪ったのに
炎が私を助けたのだった…____。
222人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クリーム(プロフ) - とてもサクサクと読みやすく面白かったです。これからも頑張って下さい! (2020年9月25日 13時) (レス) id: 58b85f6ce7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆいにゃー | 作成日時:2020年9月8日 15時