【炎炎ノ消防隊】青い瞳が映す世界。 (ページ30)

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13. "助けて"くれページ30

～no side ～

森羅、アーサーは

桜備大隊長に連れられラーメン屋を訪れていた。

お腹を満腹にすると

第8特殊消防教会へと歩き出す。

アーサー「うまかったぞッ！大隊長」

桜備「おおよかったよかった！

あの店うめぇんだ」

森羅「(桜備大隊長って優しいよな…

俺がニヤニヤしても怒らないしタメ口も

怒ることあるのかなァ…)」

アーサーと桜備が話している背中を見て

森羅はそう思った。

桜備「ん？どうしたシンラ」

森羅の目の前に気づけば桜備の顔があって

森羅はビクッとした。

森羅「い、いえ…なんでもないっス」

桜備は森羅の顔をじっと見て

やがて"そうか"と呟くと、

再びアーサーに並んで歩き出した。

桜備「食後のトレーニングはよくねぇからなァ…

仕方ないから事務仕事でもするか」

アーサー「なんでよくないんだ？」

桜備「胃に集まる血液が分散して

消化によくねぇんだよ」

森羅「(あのアーサー(バカ)も

もう懐いてるしな…)」

これでいいのか、という顔で見ていると

桜備は"そういえば"と口を開く。

桜備「最近Aも第8の中で話すようになったんだ

前までは無口だったのにな。

これも森羅のおかげだな」

笑顔で話す桜備だが

森羅は浮かない顔をしていた。

森羅「それは、どうでしょうか…

俺は何も出来てないです」

桜備「？」

先程、茉希と屋上で組手をしたことを

森羅は詳しく話しだす。

アーサー「…Aという姫君…

姫君は自身の炎を使わなかった」

森羅「自分の能力を使えば

地面に着地をすることは簡単なはずなのに

それをしないで…まるで、

死んでもいいように思ってる風に見えました」

すると桜備は足を止めた。

桜備「森羅の言う通り…だな」

森羅「！」

桜備「あいつは生死にこだわってない…

消防隊にいるのだって俺がいるからだ」

森羅「…桜備大隊長はいつからAと…」

桜備「俺が消防官になる前からだ。

初めて会った時なんて

一言だって話してくれなかったんだぞ…」

森羅「……」

桜備「…あいつ…Aには生きる理由が必要だ

森羅、アーサーも頼む Aを…"助けて"くれ」

森羅「！…はい。もちろんです」

アーサー「フッ姫君を助けるのは当然」