モノクロの世界に光を。９【ナカノヒトゲノム】 (ページ31)

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～貴方side ～

カリン「！Aちゃん！」

私はあれから歩いていて、

気がついたらラウンジにたどり着いていた。

ヒミコちゃんとカリンちゃんが駆け寄ってくる。

カリン「？Aちゃん……？」

ヒミコ「どうかしたんですか？」

貴方「……ううん。なんでもない。

ごめんね。ちょっと出かけてくるね」

私は2人に笑みを作って言った。

カリン「え、え！ちょっと！」

ヒミコ「Aさん!?」

2人の叫ぶ声が聞こえたが、

私は聞こえないふりをした。

・

ゲノムタワーを出て、

私はいつしかの洞窟の最上階に来ていた。

シルキー「！A！」

シルキーちゃんの呼ぶ声が聞こえた。

彼女は私に駆け寄ってきた。

シルキー「もー！最近

来てくれなくて寂しかっ……て、

どうしたの？」

貴方「……っ、ぅぅ」

シルキー「な、なんで泣くのよ……」

私は気づけば声を出しながら泣いていた。

そんな私を、シルキーは

慣れてないような手つきで

なんとか私の涙を止めようとしてくれていた。