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〜no side 〜
更屋敷「…もう丸2日よ」
カリンとヒミコは
ラウンジのベランダでふたり、話していた。
更屋敷「いつまで寝てるんだか…」
伊奈葉「心配ですよね…
パカさんはこれまでの疲れが出たんじゃないかと
言ってましたけど…」
更屋敷「アレの言うことは
イマイチ信用できないのよね」
カリンはそう言いながら、
アカツキの部屋にいる2人を頭の中に浮かべた。
更屋敷「……今日もあいつとAちゃんは
付き添ってるの？」
伊奈葉「はい。
Aさんは先程軽食を取りにきましたよ。
駆堂さんのほうはどうせ眠れないから
付き添うって言ってましたけど……
Aさんの方は……」
Aはここ最近、無理にでも
食べ物を渡さないと食べなかったのだ。
だからヒミコは一生懸命
おにぎりなど作っていた。
それに、Aは寝てもいなかった。
更屋敷「……Aちゃん、
ずっとアイツの傍にいるわよね」
伊奈葉「はい……元気もないので心配です」
更屋敷「…まったく、Aちゃんまで…
一緒に暗くなってどうすんの。
Aちゃんが元気ないの、私…嫌……」
伊奈葉「カリンさんもユズさんが倒れた時
そんな感じでしたよ」
更屋敷「そ…そう…？」
なんて話していると、
鬼ヶ崎「いたいた、伊奈葉ちゃん」
ラウンジの方からカイコクが声をかけてきた。
鬼ヶ崎「ちょっくらいいかい」
・
カイコクに呼ばれ、カリンとヒミコは
ベランダからラウンジへと移動した。
そこにはザクロとマキノもいた。
鬼ヶ崎「路々さんが集めてた俺らの資料でぇ。
つっても、Aちゃんの分は
Aちゃん自身が破いちまったがな……」
伊奈葉「……Aさん、
そこまで追い詰められていたんですね」
鬼ヶ崎「…………まあ、な。
この資料は俺と嬢ちゃん、Aちゃんは
先に目を通した」
カイコクは机に置かれた資料に手を置いた。
隣でマキノも資料に目を通していた。
鬼ヶ崎「一方的に事情を知ってるのは
フェアじゃねェと思ってな。
興味があれば各自目を通してくれ」
伊奈葉「は…はい」
鬼ヶ崎「……まあ、Aちゃんについては
いつかちゃんと話してくれると思うぜ」
伊奈葉「！……そうですね」
ヒミコは優しい笑みを返した。
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作者名：ゆいにゃー
| 作成日時：2020年5月6日 0時
