48.JOKE UNLIKE YOU ページ24
〜no side 〜
ひとりの男とひとりの女がいた。
女は髪の毛が長く、ふたりとも白衣を着ていた。
ふたりは水槽の前に立っていた。
「じゃあさ」
女は首からカードを下げていた。
「「あっきー」って呼ぶよ。
それならどっちも君だね」
女は"あっきー"という男に向かって微笑んだ。
・
〜貴方side 〜
コンコン
"入出"と書かれた部屋をノックする私。
扉を開けるとそこにはアンヤ君と
ベッドで眠るアカツキ君がいた____。
私はお盆を持ってアンヤ君に近づいた。
お盆の上には3つのコップとおにぎりがあった。
貴方「ヒミコちゃんがおにぎりを
むすんでくれたの。……ここ、置いておくね」
アンヤ「……おう」
テーブルの上に置くと、
アンヤ君は漫画を片手におにぎりを手に取った。
貴方「……」
私はベッドの傍の床に座り、アカツキ君を見た。
あのラフレシアの件から、
アカツキ君は眠ったままなのだ。
貴方「アカツキ君！」
涙を流したあと、アカツキ君は倒れた。
私は彼の傍に駆け寄り、彼の体を支えながら座る
……何度も名前を呼んだ。
貴方「ねぇ、アカツキ君……どうしたの…ねぇ…」
アカツキ君は目を閉じたままで
何も答えてくれない。
貴方「なにか、言ってよ……」
いつの間にか、私の視界がぼやけていた。
カイコク「Aちゃん…」
カイさんは私の隣でしゃがむと、
アカツキ君の体を支える私の頭に手を置いた。
アンヤ「……A、お前も食えよ」
貴方「……」
アンヤ「……ここ最近、ろくに食ってねぇだろ。
お前まで倒れられたら、アカツキが起きた時
どう説明すんだよ…」
貴方「……そう、だね…
作ってくれたヒミコちゃんにも悪いし…」
私はアンヤ君から渡されたおにぎりを
無理矢理口の中に入れて飲み込んだ。
貴方「……」
アンヤ「……無理矢理でも食え」
貴方「……うん」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 147人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆいにゃー
| 作成日時：2020年5月6日 0時
