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入出「どうしてここに…」
貴方「……なんとなく、かな」
Aは逢河のいるカプセルに近づく。
入出「……今の、聞いてました？」
貴方「？何か話してたの？」
入出「…………いえ。大したことは」
Aはカプセルの蓋に手をつける。
貴方「……今日の逢河さん、
私じゃない誰かを見てた気がした…」
入出「え？」
貴方「……多分、私を誰かだと勘違いして…
悲しそうな顔してた……」
入出「……」
貴方「逢河さんには、好きな人がいたのかな」
アカツキにそう言うと、Aはマキノに話しかけた
貴方「……逢河さん。
私ね、家族から見捨てられてるんです。
誰も私のことを見てくれないし、
大好きな姉も、見てくれませんでした……」
入出「…A、さん」
貴方「だからこそ、ここにいるみんなは
私にとってあったかすぎました。
1人じゃないって思えました」
逢河「……」
貴方「……逢河さんも、ひとりじゃないですよ。
みんな、います……」
・
逢河は眠りながら真っ暗な空間にいた。
入出『受け入れて、先に進んでください』
逢河「(受け入れる…？)」
暗い空間には、1人の女子高生と両親がいた。
逢河「(僕を生んだ人たちは僕を見ない…
スミレちゃんの好きな人は僕じゃない…)」
みんな、マキノに背を向けてどこかに歩いていく。
逢河「(……僕は、ひとり……)」
貴方『逢河さんも、ひとりじゃないですよ。
みんな、います』
その瞬間、マキノは誰かに袖を
引っ張られたような感覚を感じる。
後ろを振り返るとそこには、
ヒミコ、ザクロ、ユズ、カイコク、
アンヤ、カリン………みんながいた。
ヒミコはマキノの手を取って歩く。
逢河「(受け入れる……受け入れる)」
いつの間にかマキノの目からは涙が流れた。
逢河「(僕は、失恋をした)」
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作者名：ゆいにゃー
| 作成日時：2020年4月22日 20時
