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〜貴方side 〜
そのまさかだった。
目の前には"天空露天風呂"と書かれた札。
……温泉には、入りたくない……
カリン「じゃ、そっちよろしくね」
アカツキ「はい。また後で」
私はみんなの後ろで立ち止まっていた。
何やら目の前でカイさんが
女湯に入ることになったやり取りをしているが、
私の耳には入ってこなかった。
カリン「……Aちゃん？」
貴方「！」
カリンちゃんが下を向く私の顔を覗いてきた。
カリン「大丈夫？顔色が……」
貴方「……ごめんね。温泉はちょっと…
カリンちゃんに任せてもいいかな」
カリン「え？あ、え!?」
私は頭を下げて、その場から走り去った。
…………この醜い傷だけは、見られなくない。
横腹に手を当てた。
・
自室のシャワーを浴びると、
私は温泉の入り口の前で座っていた。
みんな、そろそろ出る頃かな……
カリンちゃんにひどいことしちゃった……
私の体には親に刺された傷が残っている。
過去を全部話しているわけじゃないから
この事実はカイさんとアカツキ君を除けば知らない
……でもまあ、ユズさんは例外、か……
貴方「……はぁ」
「ため息しちゃダメですよ」
そんなところにアカツキ君が現れた。
貴方「アカツキ君……？」
アカツキ「ため息すると、幸せ逃げちゃいます」
笑顔で言い、私の隣に座る彼。
貴方「……温泉に入っちゃんじゃ…」
アカツキ「先に出てきたんです」
貴方「……アンヤ君と忍霧さん、
2人にしちゃ、まずいんじゃ……」
アカツキ「まあ…大丈夫だと思います。
マキノさんもいますし」
……子供だけどね。
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作者名：ゆいにゃー
| 作成日時：2020年4月22日 20時
