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あれから私たちは第3研究室に来ていた。
そこには真ん中に大きな機械、
それに9台の人の入れるカプセルがあった。
……嫌な予感がする。
パカ「500万回再生数を記念し、
今回は皆さんで楽しめる
バーチャルシミュレーションを用意しました。
まずはアバターの同期を行います。
皆様カプセルの中へ」
……ほら、やっぱり。
アカツキ「コールドスリープみたいです…！」
アンヤ「あ？んだそれ」
アカツキ「人工冬眠ですよ。
SFでよくあるじゃないですか。閉めてくださーい」
アカツキ君は真っ先にカプセルに横になる。
閉めてくださいと連呼中だ。
ユズ「身体を低温保存して延命する技術だな。
不治の病なんかも未来では治療できるかも
しれないからな」
アカツキ「閉めてくださいー」
貴方「……延、命…………」
アンヤ「…不治の、病」
私は気がつけばぼんやりと呟いていた。
それは近くにいる駆堂くんも。
貴方「駆堂くん、どうかしたの？」
アンヤ「……なんも。
つーか、いい加減名前でいい…
……もう平気なんだろ？」
貴方「……うん。ありがとう。アンヤ君」
アンヤ「っ……別に」
アンヤ君は私からすぐに視線を逸らし、
カプセルに入ろうとしていた。
アカツキ「アンヤく…」
パカ「これより人格データの同期を開始します」
アカツキ君がアンヤ君に何かを言おうとしたが、
パカの言葉でそれは防がれていた。
パカ「カプセルの蓋を閉め、
しばらく横になってお待ちください。
ささ！一ノ瀬様も」
貴方「…そんなキラキラな目、やめてください」
ノリ気はしないが、
逆らったらどうなるかわからない。
私は渋々カプセルに横になった。
正直、こういう狭くて密閉空間のような場所
好きではない……不安だし。
アカツキ「Aさん」
ふと彼に名前を呼ばれ、視線を向ける。
アカツキ「大丈夫ですよ」
貴方「……ありがとう」
ニコリと微笑む彼。
いつもアカツキ君は不思議と
私の不安さを気づいて声をかけてくれる。
優しいんだな、ほんと。
カプセルの蓋が閉まっていって……
トク…
トク…
心臓のような音が聞こえると
自然と目が閉じていった。
まるで、母胎にいるように____。
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作者名：ゆいにゃー
| 作成日時：2020年4月22日 20時
