佰玖拾参鬼＿＿疑 ページ7
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「お前は、結局何が目的だったんだ？」
柔らかな月光が包み込む静寂に、盃を傾けなが
ら何処か不機嫌そうに鶴丸が口を開く。
じとりと恨めしげに横目で、本来ならば主と呼
ぶべき彼を見れば、その視線に彼は口角を上げた。
『目的……か……』
「何の考えもなしにあの女のために踊ったわけじゃないんだろう？」
『仮に何も目的が無かったらどうする』
「あんなことをさせたんだ……ただ殺すじゃ足りないな」
言葉に僅かながらにも殺気を乗せながらその口
はゆるりと和らぐ。
熾鬼と鶴丸の間には何時ものごとく１人分の
距離が空いていた。
『”俺”を殺すか……軽口を叩けるのなら十分だな。……まぁ……そうだな……』
そう言って一口酒を口に含む熾鬼を鶴丸がじ
っと見つめる。
その視線に勿体ぶらせるようにゆっくりと口を
開いた……。
『お前はどう思った？”三日月宗近”』
「三日月……？」
唐突にもこの場にいるはずもない刀の名を口に
する熾鬼に首を傾げる。
盃を傾けながら月を見上げたままに、返ってく
るであろう言葉を待つ様子に鶴丸が若干の困惑
を視線に混ぜるが……。そんな鶴丸を気にせずに
呑気に熾鬼が待てば、やがて廊下の床を軋ま
せて彼が姿を表した。
「三日月……」
「…………」
『ずっと見ていたんだろ？端から眺めている者しか見えないもの、感じるものがある。……誰よりも考えて思いを寄せるお前がどう感じたのか…………酒の肴に興味がある』
月を眺めた熾鬼の瞳が、浮かぶ満月から三日
月へと流れる。
その視線の先で静かに三日月が見つめ返すと、
ゆったりとした動作で、少し離れた先に腰を降
ろした。
「お前の考えなど想像もしたくない。…………だが…………気になったことならある……」
何を思い、何を感じているのか…………
静かな三日月の横顔から伺うことは出来ない
が……鋭く冷たい瞳が横目に熾鬼を捉える。
「……何故あの女はお前”存在”を知っていた？」
「それはどういう……」
『…………』
三日月のそれに熾鬼は面白いとばかりに口角
をつり上げた……。
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蓮夜 - 更新待っています。みたいです。無理せずに。応援してます。 (5月15日 2時) (
レス) @page9 id: 574d664119 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ - すごく面白かったです！！もう更新しないんですかね？面白かったので続きが見たいです！！！！！！！ (2022年12月6日 18時) (レス) @page9 id: ef650c7495 (このIDを非表示/違反報告)
akithin.(プロフ) - 更新はもうされないのでしょうか？ (2020年8月24日 23時) (レス) id: e324714dd9 (このIDを非表示/違反報告)
咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2019年11月28日 6時) (レス) id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
％ - 一日でここまで読み進めました！凄く面白かったです！更新頑張ってください！ (2019年11月14日 17時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔櫻 実桜 | 作成日時：2019年10月31日 0時
