～怪蟲駆除機密捜査本部～ (ページ14)

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ep.12 ページ14

《ASIDE》

また飛び出してしまった。
また逃げてしまった。

A「"あの時"もこんなに弱かったっけ…。」

走る足を止めた。
行く当てなどない。

A「なんで…補佐なんて…」

わからない。今更補佐を付ける意味が。

私は一人でやってこれた。
なのに。

A「わからない…」

人が一人も通らない道。
時刻は17時。

辺りは段々夕焼け色に染まって行く。

その時だった。

ーーーシュンッ！

A「っ？！」

私は突然のことで驚きながらも後ろからの何かを避けた。
そして、ゆっくりと後ろを向く。

A「怪蟲…。お出まし…か…。」

目の前にいたのは体長およそ5mのカマキリだった。

A「バッグ持っててよかった…。
あの鎌に切られちゃ終わりだな…。」

私はバッグの中からスイッチのついたカプセルを出す。

ポチ。

スイッチを押すと、あら不思議。
カプセルは大きな鞄になってその中から怪蟲駆除用キット達が顔を出した。

私が主に使うのは、包丁の大きくて長い物。
包丁ではないんだけど似てるんだよね包丁に。
だから、私は『蟲丁』でちゅうちょうって呼んでる。

蟲によっても武器を変えたりするけど、こいつ(カマキリ)には刃物が一番だと思う。

A「やるしかない。」

私は蟲丁を握り直した。