61.堕落 ページ21
荼毘side
数時間前＿＿＿＿
荼「おい、どこ連れ回してた。」
部屋にいないと思えば憔悴しきった様子のAを抱えて帰ってきた黒霧。
こいつ…燃やしてやろうか。
黒「そう殺気を出さないでください。気を失っているだけですから。」
荼「返せ。」
黒霧からAをひったくり、地下室に運ぶ。
『おと…さん、……か……さ…』
さっきからずっと譫言の様に繰り返し魘されている。
荼「泣いてんのか。」
ベッドに寝かせながらAの涙を拭ってやる。
何がお前をそこまで追い込む。
お前は此処に居るはずなのに、心はどこか遠くにあるみたいだ。
荼「俺に、堕ちてくれよ。」
白くか細い手の平にそっと口付けた。
***
気が付いたら、またあの殺風景な部屋だった。
どれだけ眠っていたのか。
日の当たらないこの地下では朝か夜かも分からない。
荼「目、覚めたのか。」
『荼毘……。』
私の左手を握る彼が運んでくれたのだろう。
彼の手を振りほどき、起き上がる。
荼「どこ行ってた。」
『オール･フォー･ワンさんのとこ。』
荼「…思い出したのか。」
『………うん。』
荼「お前はこれからどうしたい。」
『………分からない。』
今となっては相澤さんに会いたいかどうかも分からなくなってしまった。
本当は問いただしたい。
想っていたのは私だけなのかと。
貴方にとって私は監察対象でしかないのかと。
しかし、本当に私の一方的な感情だったとしたら？
それを相澤さんの口から直接聞くのが怖い。
こんな事なら、ずっと眠っていたかった。
塞ぎ込んでいるところを横から抱きすくめられる。
少し焦げた匂いが鼻腔を満たす。
荼「イレイザーヘッドの所に戻りたいか？」
『……分からなくなった。』
荼「敵連合に入るか？」
『……分からない。』
荼「俺なら、そのままのお前を受け止めてやれる。
俺の知っているAは路地裏で何の躊躇も無く"個性"を使ってくれたあの時のお前だ。
今更お前を見限ったりしない。」
『………うん。』
彼の胸に頭をもたげる。
ああもう、一層の事堕ちてしまおうか。
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(●?´▽?`●?)(プロフ) - 最高すぎました。貴方様の目の前で涙と鼻水ぶちまけて土下座したい気分です。本当にありがとうございます (2019年3月26日 22時) (
レス) id: 5e85bd0815 (このIDを非表示/違反報告)
奈南(プロフ) - やっべぇぞ(古い)。もう相澤さんって呼べないですね。の使い分けやばすぎます天才ですか……。とにかく、素晴らしい作品でした。 (2018年10月1日 0時) (レス) id: 2ded25a891 (このIDを非表示/違反報告)
黯(プロフ) - こたるさん» 更新期間空いてしまって申し訳なかったです。後日談は私も少し考えていましたので、案が固まり次第文にしたいと思います！最後までお付き合い頂きありがとうございました！"くろ"と申します！ (2018年8月9日 2時) (レス) id: 8009d842e0 (このIDを非表示/違反報告)
こたる(プロフ) - 二人とも終わりましたけどこれで完結ですかね？？うぅー、寂しいですね、、、どうにか後日談だけでも！相澤先生との結婚式の様子だけとかでもいいので見たいです！ (2018年8月9日 2時) (レス) id: e28125c434 (このIDを非表示/違反報告)
こたる(プロフ) - 久しぶりの更新お疲れさまです！通知できてて嬉しくってすっ飛んできました！！どれだけ長くかかろうともすべて読むつもりなので、ゆっくりでも良いです。更新、お待ちしておりますね！大好きです！(ずっと気になってたんですけど、作者さまのご芳名どう読むんですか？) (2018年8月9日 1時) (レス) id: e28125c434 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黯 | 作成日時：2018年5月15日 22時
