54.混乱 ページ14
『どういう…ことですか……。』
治「"個性"、使えなかったんだろ。それは俺が売った薬だ。」
『"個性"が使えなくなる……薬………？」
治「ああ、そうだ。この社会には病人が多すぎる。可笑しいと思わないか？
何奴も此奴も"個性"を持て余し、誰も彼もがヒーローになれると思っている。
"個性"があるから夢を見る。"個性"を無くせば、正気に戻ると思わないか？」
『………。』
呆然と彼を見つめる。
何を言っているか分からないからではない。
ヒーロー飽和社会。
ヒーローを志す者は年々増加し、中途半端に志した者はあっけなく死んでいく。
この社会にはヒーローが多すぎるのだ。
治「なあ、A。お前は分かってるんだろ？」
『…ッ』
肩を掴まれる。
どうしてこうも私は心が読まれるのだ。
治「お前は俺と同じ目をしている。その目はこの社会を快く思ってない目だ。」
『そんな……違う…………私は……。』
治崎さんの金色の目が私を捉える。
強く否定したいのに出来ない。
それに加え、頭の中に映像が流れる。
死体の山の中、足元に転がる二つの死体を見下ろし立ち尽くす女の子の映像。
『わた…しは、……ころして……ない。』
頭が割れるようだ。
治「もう一度言うぞ、A。
お前も、来るか？」
まともに答えられない頭は頷こうとする。
その時、
黒「困りますよ、治崎廻さん。」
『ワープゲートの……。』
治「ノックもせず入ってくるとは、躾がなってないんじゃないか？」
黒「ノックをしたのに、無視したのは貴方の方でしょう。
それより、時間です。お帰り願います。」
治「チッ…。」
私の肩から手を離し、出ていく治崎さん。
頭痛で気付かなかったが、肩を相当強く掴んでいたようだ。
ビリビリと痛む。
治「A、お前が来るならいつでも歓迎する。
お前の居場所は死穢八斎會だ。」
扉が埃をたてて閉まる。
黒「……。」
『………？』
彼はいつまでいるのだろう。
沈黙に耐えかねて声をかける。
『………あの。』
黒「!!…ああ、すみません。少し考え事をしていました。」
『何か用が……？』
黒「気素Aさん、貴方に会いたがっている方がいます。
同行願えますか？」
『？はい。』
私に……会いたがっている人………？
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(●?´▽?`●?)(プロフ) - 最高すぎました。貴方様の目の前で涙と鼻水ぶちまけて土下座したい気分です。本当にありがとうございます (2019年3月26日 22時) (
レス) id: 5e85bd0815 (このIDを非表示/違反報告)
奈南(プロフ) - やっべぇぞ(古い)。もう相澤さんって呼べないですね。の使い分けやばすぎます天才ですか……。とにかく、素晴らしい作品でした。 (2018年10月1日 0時) (レス) id: 2ded25a891 (このIDを非表示/違反報告)
黯(プロフ) - こたるさん» 更新期間空いてしまって申し訳なかったです。後日談は私も少し考えていましたので、案が固まり次第文にしたいと思います！最後までお付き合い頂きありがとうございました！"くろ"と申します！ (2018年8月9日 2時) (レス) id: 8009d842e0 (このIDを非表示/違反報告)
こたる(プロフ) - 二人とも終わりましたけどこれで完結ですかね？？うぅー、寂しいですね、、、どうにか後日談だけでも！相澤先生との結婚式の様子だけとかでもいいので見たいです！ (2018年8月9日 2時) (レス) id: e28125c434 (このIDを非表示/違反報告)
こたる(プロフ) - 久しぶりの更新お疲れさまです！通知できてて嬉しくってすっ飛んできました！！どれだけ長くかかろうともすべて読むつもりなので、ゆっくりでも良いです。更新、お待ちしておりますね！大好きです！(ずっと気になってたんですけど、作者さまのご芳名どう読むんですか？) (2018年8月9日 1時) (レス) id: e28125c434 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黯 | 作成日時：2018年5月15日 22時
