厄災三十と七 ページ42
「……なーんて……思ってたりなかったり？あんたらだって大切な主は守るでしょ？それとも同じですよ」
ピンと張った空気のなか……それを遮るようにふ
と目を伏せて、宛がっていた手をどける。
そのまま三日月へ背を向けると、後ろ手に手を
振りながら厨へと歩いて行った……。
「…………」
＿＿”「何処か歪ともとれる……厄介な相手ですね……」”
三日月の脳裏に、先日の小狐丸の言葉が浮かび
あがる。
「歪……か……」
……確かに、”アレ”は歪……狂気ですらあるものだ
った……。
もはや、”依存”と言っても良いだろう……。
……しかも、ただの”依存”ではない……。
三日月が盈月を引き留めた時……離れた先で振り
返った虧月の瞳……。
深く瞳の奥底に見えたその色は……何処までも深
く続いていて……。
「……面白い……」
三日月の口角が歪んでつり上がる。
盈月の一方的な狂気に隠れるように…………
虧月の目に映るあの色は紛れもない”依存”……。
言うなれば、2人の関係は”共依存”と言っても
良いだろう……。
……嗚呼……それを”崩してみたい”……。
そこまで考えて、口元を抑えるように袖を持っ
ていく。
己は別に、二人を壊したいわけではないのだ…。
それでも……、純粋無垢なあの虧月にそこまでの
深く纏わり付くような執着を受けてみたい……。
奪ってみたい……。
…………欲しい……。
ただ新しい主となる虧月を眺め楽しむはずが……
心の奥底から沸き上がり続ける願望に己が事な
がら、呆れ嘲笑する。
何も”今”それを直ぐに欲している訳ではないの
だ……。
築きかけている関係を崩す程、愚策はないだろ
う……。
それでもと沸き上がる欲に、三日月は今一度口
角を吊り上げると、奥底へと本心を隠すように
口元を戻す……。
…………今はただ、あの小さな主と関係を築こう……。
三日月は微笑を顔に、自身の先を行った集団を
追うようにゆったりと歩みを進めた……。
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不思議の国の有栖さん(プロフ) - 最高です (2021年1月15日 23時) (
レス) id: 1031f2154f (このIDを非表示/違反報告)
紫羅那@龍蓮(プロフ) - 更新頑張ってください！めっちゃ好きです！ (2020年3月11日 17時) (レス) id: 52a85e5aa6 (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - 羅維さん» 応援の御言葉ありがとうございます！！楽しみだと言っていただけて嬉しいです！最近中々更新ができませんが、なるべく早く更新できるように頑張ります！ (2019年5月14日 16時) (レス) id: b4a1ce9c3e (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - 闇夜さん» ありがとうございます！！重症待機とは……！早く手入れという名の更新をせねばですね！(笑) 好きだと言っていただけて嬉しいです！更新頑張ります (2019年5月14日 16時) (レス) id: b4a1ce9c3e (このIDを非表示/違反報告)
羅維(プロフ) - 続き、スゴく楽しみです！応援してます！ (2019年5月4日 12時) (レス) id: 11865369a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔櫻 実桜 | 作成日時：2019年3月25日 17時
