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厄災三十と六 ページ41

「ほんっとうに面倒くせぇですね……」

「あれ程の結界を部屋に張っていたものを、突然解き無防備にしたのだ……警戒はするだろう」


品定めでもするように見つめてくる三日月へ、

気だるげにしながらも盈月がゆっくりと歩みを

進める。

つい先日にも似たようなことを言われたのだ…。

再度同じような説明が面倒くさいのか……。

歩みを進めながらゆっくりと口を開いた。


盈月(おれ)は”虧月”のために生まれ、虧月こそが存在する理由……生まれた瞬間から今まで、虧月を守るためだけに有るんですよ」


盈月の歩みが三日月の目前で止まる。

直ぐそこで盈月と三日月の視線が交差した……。


「まぁ……質問に応えるなら……」



直ぐそこにある互いの瞳……



しかし、一瞬き……一瞬きの瞬間だった……。





「ッ……!!」



その手元で、気だるげにぶら下がっていた盈月

の細く長い指は、一瞬の間に三日月の喉元を捉

え触れていた…………。






「堪忍袋っつったか?」




_油断はしていなかった……警戒はしていた……。


それでも、気だるげに近づいた盈月の瞳の奥深

くへと隠された殺気に気づくことができなかっ

た……。





驚き固まる三日月を前に盈月は目を細めると、

三日月の耳元に口を寄せて、低く囁いた。







「堪忍袋も何も……常に俺は、お前らの首に刃向けてんだよ」

「ッ…………」




三日月の首筋を冷たい汗が伝う……。



確実に頸動脈を狙って宛がわれた冷たい手か

ら、全身に冷たい血が巡るように……

身体の内側から凍る感覚すら覚えた……。

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不思議の国の有栖さん(プロフ) - 最高です (2021年1月15日 23時) (レス) id: 1031f2154f (このIDを非表示/違反報告)
紫羅那@龍蓮(プロフ) - 更新頑張ってください!めっちゃ好きです! (2020年3月11日 17時) (レス) id: 52a85e5aa6 (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - 羅維さん» 応援の御言葉ありがとうございます!!楽しみだと言っていただけて嬉しいです!最近中々更新ができませんが、なるべく早く更新できるように頑張ります! (2019年5月14日 16時) (レス) id: b4a1ce9c3e (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - 闇夜さん» ありがとうございます!!重症待機とは……!早く手入れという名の更新をせねばですね!(笑) 好きだと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります (2019年5月14日 16時) (レス) id: b4a1ce9c3e (このIDを非表示/違反報告)
羅維(プロフ) - 続き、スゴく楽しみです!応援してます! (2019年5月4日 12時) (レス) id: 11865369a3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朔櫻 実桜 | 作成日時:2019年3月25日 17時

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