参拾参鬼＿＿判定 ページ37
「ゴホッ…！」
今剣の鼻を啜る音がする中、椿が口から血を吐
き出す。
力の入らない体に醜くも畳を這いつくばって刺
された胸を必死に押さえた。
「うぅ…いたい…痛いよぉ…！！なんで…なんでなのよ…っ！！」
訳が分からないと涙で顔をぐちゃぐちゃに汚し
ながら助けを求めるように畳の上を這って襖へ
と向かう…。
それを、椿が退いたことによって立ち上がった
熾鬼が、無残にも這う背中を踏みつけた。
「っ…！」
『痛くない…じゃなかったか？』
痛い痛いと泣く椿に先程の言葉を問いかける。
しかし、踏みつけられた苦しみに椿は苦悶の表
情を浮かべるだけだった。
「何よ…何よ…ッ！！私が全部悪いの！？」
ギリっと歯を噛み締めて背中の熾鬼を睨みつけ
る。
「今までされてきたことをやり返して何が悪いって言うのよ！！私は救われなかった…だからこの子達刀剣も同じ！！だったら！弱いものが救われないなら！自分の楽園をつくって何が悪いって言うの？！」
「あるじさま…っ」
吐き出すように激怒に声を震わせて叫び散ら
す。
私は悪くないと泣きながら叫ぶその姿に今剣は
同情に顔を歪める。
しかし、そんな椿を熾鬼は冷たく見下ろした。
『だからどうした』
「っ…！」
『そんなことは俺にとってどうでもいい…関係のないことだ…
どうでもいいと…まるで、地べたに転がる石こ
ろを見下ろすように…何の感情も込もらぬ目で
見下ろしながら、心底どうでも良いと抑揚のな
い声が踏みつけられる椿と座り込む今剣の鼓膜
を震わせる。
熾鬼の言葉に返答出来ず、目を見開く椿に熾鬼
は風を纏わせながらその姿を鬼へと変化させた。
「っ！？」
先程まで幼子の姿をしていた見習いの鬼の姿…
驚愕に声も出ぬ中、熾鬼は椿が落とした小刀を
拾い上げる。
「な…んだ……人間じゃなかったなんてね…ふふ…でも…変わらず綺麗なままなのね…」
『判定は下った……お前に…処罰を与える』
ゆっくりと…小刀を持ちあげて…踏みつける椿
へと狙いを定める。
その姿に、最期を悟る椿は狂ったように笑いだ
した。
「貴方の目には何も写ってないのね……感情のない…本当に…人形みたい……」
『……』
笑う椿の背に刃が落ちる…。
「私も……貴方みたいだったなら……良かったのにな……」
最期に悲しげに微笑んだ椿の背へ…刃は吸い込
まれるようにして突き刺さった……。
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朔櫻 実桜(プロフ) - 天ノ江さん» ありがとうございます！！そこまで言っていただけるとは恐縮ですが、とっても嬉しいです！！そして、赤袖夜叉髑髏を好きと言って頂けて、生みの親としては嬉しい限りです！(’∀’*)ありがとうございます！更新頑張ります！ (2017年4月29日 23時) (
レス) id: cb01b25ab1 (このIDを非表示/違反報告)
天ノ江(プロフ) - あああ好きですこの作品！！他の審神者たちもキャラが作り込まれていて、面白いです！描写が多いので凄く想像しやすいです！少し抜けてて受け体質な夢主君可愛い...赤袖夜叉髑髏がめちゃくちゃ可愛いです。子供好きなあかが好きです(真顔)これからも頑張ってください！ (2017年4月28日 22時) (レス) id: 49f85c03a8 (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - 白鷺さん» 混乱させてしまい、申し訳ありませんでした！今後も閻魔見習いの審神者をよろしくお願いします(*^^*)読んでくださり、ありがとうございました！ (2017年4月17日 7時) (レス) id: cb01b25ab1 (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - 白鷺さん» ご指摘ありがとうございます！年齢の件ですが…年齢は様々な諸説があり、確実性がないので敢えて年長者という表現にしました。それに加え、ネタバレになってしまうのですが、この本丸に年長組は三日月だけという伏線にしています (2017年4月17日 7時) (レス) id: cb01b25ab1 (このIDを非表示/違反報告)
白鷺 - 面白い、ですけど、年長は確か鶯丸ですよ、三条だったら今剣が年長です (2017年4月17日 2時) (レス) id: 0496d2ba11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔櫻 実桜 | 作成日時：2017年3月25日 11時
