マリアに、懺悔。【1】 (ページ13)

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……ん？黒龍は八代目で全てが変わった？黒川イザナは八代目の総長で、つまり、

『…黒龍を腐らせたのは八代目総長、黒川イザナか…』

俺が考えていたことをそのまま声に出してくれたドラケンくん。

全てが、繋がっていく。

『はーいっ、お茶入ったよ〜』
『黒川イザナ…何者なんだ……』
『……ウチのお兄ちゃん』
『……へ？』

いつの間に入ってきたのだろうか、エマちゃんはおぼんを床に置き、俺たち3人の顔を見回すと、

『だから、ウチのお兄ちゃんだよ。黒川イザナ』

けろりと、言ってのけた。

………………って、え？

『ちょっとー！マイキーには何度も話したよ！マイキーにとっても、異母兄弟なんだからね！』

エマちゃんの旧姓は黒川。
エマちゃんの兄貴ってことは、マイキーくんとも、兄弟。

『もー、全然人の話きーてない』
『あー、思い出した』
『嘘つけ』

『エマちゃんはさ、そのお兄さん…黒川イザナについてなにかおぼえてること、ある？』
『んー、一緒にいたのは3歳までだし。流石に覚えてないかなー』

あ、でも。真兄とか、まなかちゃんとも仲良しだったみたいだよ。

ぴく、とマイキーくんが肩を揺らした。

『シンイチローと、マナカちゃんと？』
『なんで真一郎くんと黒川イザナが？』
『ちょっとまっててね〜！』
『おい、エマ！』

ばたん、と倉庫の扉が閉じた。
俺たちは3人顔を見合せ、エマちゃんが出ていった方をぼんやりと眺めてたけど、ぽつりとドラケンくんがマイキーくんに謝った。

『…………悪い、マイキー。さっきタケミっちにマナカの話した』
『…ンー、べつにいーよ。いずれ話すことになっただろうしさ』
『し、真一郎くんの彼女さん、だったんですよね、？』

マイキーくんはにこっと笑って、1口分残っていたたい焼きを口に放り込んだ。
　
『そー、マナカちゃんは俺の兄貴のヨメ。花女の卒業生で、バレエ上手くて、可愛くてー、やさしーの』

『へぇ、そうなんすね』
　
幸せそうな顔をするマイキーくんにつられて、俺も口角がゆるゆると上がる。

『今は、行方不明』

俺の笑顔は引っ込んだ。
上げて、落とす。分かってはいたけど！さ！

『ほーんと、どこいっちゃったんだろ？』

『…もうすぐで1年くらい経つか』

『ウン。まなかママも心配してんのにね』

『ふたりとも、その彼女さんと仲良しだったんすね』

『そ、よくこの倉庫で一緒に兄貴がバイクいじんの見てた』

それは、さっきドラケンくんが言ってたことと、全く同じ内容だった。