マリアに、懺悔。【1】 (ページ17)

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刻一刻と、その日が近づいていく。

俺は未だに藤宮まなかの行方を掴めていないままだった。

22日の朝。
イヌピーくんと共にやってきたのは、真一郎くんのお墓。

黒龍の十一代目総長を報告するため。

『…こいつが十一代目黒龍総長、花垣武道です』

『初代の名に恥じない、最っ高のチームを作ります！』

真一郎くんの墓に向かって、深く頭を下げ、俺は誓った。

今日…今日の夜、関東事変が起きる。
救わなくちゃいけない。藤宮まなかは、死んじゃだめだ。

…でもどうすれば？行方知れずの人をどうやって守るんだ？

ぐるぐる色んなことが頭を回って、吐きそうになる。
どうすれば、どうすれば彼女を稀咲から救える？

頭を上げ、助けを求めるかのように真一郎くんの墓を見つめていると、1人分の足音。からん、と軽い何かが当たる音。

『黒龍創設の日に、十一代目の誕生か……おもしれー』
『！』
『お前が、花垣武道か』

真っ赤な特服。褐色の肌に真っ白な髪、淡い紫の瞳をぎらつかせながら俺の目の前で足を止める。

『イザナ…』

ぎりり、と隣のイヌピーくんが歯を鳴らした。

こいつが、黒川イザナ…？この時代の、黒川イザナか！

耳につけたピアスがゆらゆらと揺れていた。
そうだよ、そうじゃん。このピアス、未来でもみたじゃんか。

嫌に冷静にそんなことを考えているとイヌピーくんが荒い呼吸のまま、がっとイザナの胸ぐらを掴み上げた。

『…テメェ、ココをどうするつもりだ！！』

『い、イヌピーくん！？』

『おいおい、どーするも何もあいつから天竺に入ってきたんだぜ？…離せよ。俺は兄貴の墓参りに来ただけだ。

それに……

九井が手に入った今、テメェにはキョーミねえよ。乾。』

ふつふつ、とお湯が沸騰するかのようにイヌピーくんが興奮していくのが空気で分かった。握った拳は空でぶるぶると震え、やり場の分からない怒りが渦巻いている。

『止めとけ、イヌピー』

『！』

『マイキーくん…！エマちゃんまで、！』

『え、何なに？』

『……へー、仲良くキョーダイで墓参り？』

『……タケミっち、エマ連れて、離れてろ』

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