Wish upon snow ... Takahiro×Nozomu (ページ5)

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信じてないわけやない。

ただ迷惑かけたくなかってん、ごめん。

＊＊＊＊＊望＊＊＊＊＊

ふっと意識が戻るのが自分で分かった。

目を開けてみると真っ白な天井が見えて、病院やなぁ、とかふわふわした意識の中で感じた

徐々に頭が起きてきて、濱ちゃんのことを思い出して勢いよく飛び上がる

「濱ちゃん!!」

そこでやっと気がついた

「え？」

俺が見ている世界の色がなくなってることに。

自分の腕はグレー一色で、窓の外も雪は降っていないのに白とグレー。

起きたばっかで体が固まっていてうまく足に力が入らないけど、なんとか窓の方へ向かう。

ぼーっと眺めることしかできなかった

ふと時計を見るともう三時くらいで、空の色や明るさの区別がつきにくくて時間の感覚もよくわからない

そのまま外を眺めてると

――――ガラガラ

流「…望！」

流星の大きい声が聞こえて振り返った

「おはよ。」

流「おはようとちゃうわ…。良かった、全然起きひんから心配で。」

あぁ、迷惑かけてもうたなぁ

流「まだ病み上がりなんやからベットに戻り？今みんなと先生呼んでくるわ」

俺をベッドに戻してから病室を出ていった

その後先生とみんなと濱ちゃんまで来て濱ちゃんの容態と、明日には俺は退院してええって事を聞いてそのまま解散になった。

濱ちゃんがもう少しおるって言うて残ってた

濱「のんすけ大丈夫か？」

「おん、濱ちゃんこそ大丈夫なん？肩痛い？」

濱「普通にしてたら痛ないよ。ただ、まだ腕上げるんはしんどいな。」

「そっか…。よかった、ほんとに。」

泣くつもりなんてなかったのに一回溢れてきた涙は止まらなくて子供のように泣いていた

濱「泣くなやぁ、聞いたで？のんすけが助けてくれたんやろ？ほんまにありがとう。もう俺は大丈夫やから。な？」

濱ちゃんは俺が落ち着くまで傍で頭を撫でていてくれた

濱「先に家で待っててな？明後日には俺も帰るから」

消灯時間も近くなり濱ちゃんはまた明日と言って自分の病室に戻っていった

俺はこれからのことを考えた

濱ちゃんはしばらくはお休みすることになった事を聞いてこれ以上は迷惑かけられへん

夜になってもうひとつ気がついたんが、暗いとほとんど見えなくなってまうこと

暗くなってまうと全部モノクロで見えてる俺はあんまりモノの区別とかができなくなっとって、ものすごい不安に襲われた

絶対バレないように。

それだけが俺の頭を占めていた

※同居の設定