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後悔 ページ7

Aは右足の痛みで目を覚ました。
周りは暗くあたりの把握をすることはできない。
手足は鎖で繋がれており身動きも取れず何故か力が入らず異能力も上手く使うことができなかった。
(ここはどこだろう)
「やっとお目覚めか」
そんなことをしていると奥から立原がこちらに向かって歩いて来た。
かまえることもできないAはただひたすらにこれから起こるであろうことに恐怖していた。
捕虜である自分の役割は二つ人質と情報源だ。
そしてAにはそう易々と探偵社の仲間の情報を与えるつもりはなかった。
そうなると敵の取る選択肢は一つ。
拷問をして吐かせることだ。
(でもよかったのかもしれないもしあのままナオミちゃんが捕まって居たらここに居たのはナオミちゃんだったかもしれない。異能力者でもない学生の彼女にはこの役目は荷が重すぎる。
それにナオミちゃんが傷だらけになんてなったらきっと谷崎君は悲しむから。
私の大好きな人が誰よりも何よりも大事にしているナオミちゃんにこんなこと任せられないよ)
Aが思考を巡らせている間も立原はナイフを使いじわじわとじりじりとA体を傷付けながら情報を聞き出そうとした。しかしAが口を開くことは無かった。
(谷崎君は私のことを心配してくれているだろうか)思い浮かぶのはいつも妹の話ばかりで
私のことを見てくれない彼氏のことだった。
中々吐かないAに苛ついた立原はAの太ももへナイフを深く差し込み抉った
「あああぁぁっぁ!!!」
Aの足に焼けるような痛みが走り思わず声が漏れる。
「これでしゃべる気になったか?」
「…」
(このまま私はここで殺されるんだろうか)
そう思うと怖くて怖くて仕方がなかった。そしていくつもの後悔が浮かんで消える。
(最近ナオミちゃんの態度が可笑しかったんだよね、もしかして私何か怒らせるようなことしたのかな?もっと早く謝って置けばよかったな。
こんな痛い思いをするならいっそ太宰さんと心中した方が良かったかも。
乱歩さんとももうお別れか。もっといっぱいいろんなお菓子食べたりしたかったな。
谷崎君に会えなくなるなんて悲しいな。
死ぬまでにナオミちゃんじゃなくて私の方に振り向かせたかったな。
一度でいいから私を見て欲しかったな)
絶対に泣くもんかと我慢していたはずだった。だけど谷崎のことを考えると涙があふれて止まらなかった。

暖かな雪→←選択肢は一つ



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クコ(プロフ) - ルイさん» コメント返信遅くなってしまいすみません。そう言ったことは読者様のご想像にお任せします。 (2018年10月9日 20時) (レス) id: c68ef9c665 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - 立原さんは死んだんですか? (2018年9月14日 18時) (レス) id: 63736b3e41 (このIDを非表示/違反報告)
クコ(プロフ) - 桜木 茜さん» コメントありがとうございます!!そんな風に言ってくださると物書き冥利に尽きます! (2018年4月20日 3時) (レス) id: c68ef9c665 (このIDを非表示/違反報告)
桜木 茜(プロフ) - 今日最後まで読ませていただきました。涙がドバドバ止まりません、すごく良かったでふ! (2018年4月18日 20時) (レス) id: 276600753d (このIDを非表示/違反報告)
クコ(プロフ) - 雪のさん» 最後まで読んでいただいて、さらにコメントまで下さってありがとうございます!!嬉しい限りです!これからも頑張っていきます! (2018年2月18日 23時) (レス) id: 336d684e71 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クコ | 作成日時:2018年1月11日 3時

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