かわいい黒色さん (ページ30)

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………………全部、アカンやろ。
そんなん、もう、俺の我慢がきかへんわ。

「侯隆」

「ん？……むわっ！？」

俺はそんな侯隆の肩押して、その場に押し倒す。

侯隆は、何が起こったんかわからんような顔してる。

でもな、俺もうスイッチ入ったからな？
お前のせいやで？俺の決心が崩れたの。

こっちの気も知らんと可愛いことしてきやがって。

もう黙っとれん。耐えられん。

「侯隆、お前ほんまなんなん？」

「しょ、しょおた……？」

「ずっと黙っとこ思たのに、お前がちょこちょこいらん事するからやで？」

そう言って侯隆の前髪かきあげて真っ白い額に軽いキスを落とす。

一回だけして起き上がると、さっきとは違う顔の紅潮。

見下ろす侯隆は、酔ってるせいかめちゃくちゃいろっぽく感じた。
そんなん感じ取ったら、俺も多少は酔っとるから、無性に興奮してきた。
じわじわっと体の奥から熱が湧いてくる感じがする。

一方の侯隆は、俺と目があって恥ずかしいんか、両腕で顔隠してもた。

「侯隆、腕退けて」

「いやや……」

「なんでよ、俺のこと見てや」

「いややぁ、だって、きょうのしょうたおかしいし……」

いっつもこんな事せえへんやん。やって。
当たり前やろ、したくても我慢しててんから。

実は俺、めっちゃ侯隆のこと好きやねんで？
きっと侯隆が俺に好きって言ってくるもっと前から。
いっつも褒めてくれることも、告白も全部嬉しかってんで？
そやけど、素直になれない性格のせいでそれを隠してた。ごめんな。