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「おん、料金ちょうどです。あ、それ今食べ。それ持って帰るのに食べて帰られんし、第一、その器もっとったら他のやつに何言われるや分からんからな。シャツの色大幅に変わるくらい暑い中歩いてきてくれたんやから、これくらい許されな」
って、またまたいい顔でニカっと笑う。
初めは怖い人やと思ったけど、すばるさんって、めっちゃいい人……!
「あ、ありがとうございます……いただきます!」
「氷は気にすんなや。ちゃんと溶けんようにでっかいの二つ入れて、余計に保冷剤も入れといたから」
「それでもこの暑さなら溶けてまうかもしれんけど」
その言葉に一つ頷いて、かき氷を頬張る。
一気にがっついてもたせいで、頭にキーンって痛みが走る。
「っ痛!」
「はははっ、そらそんなに急いで食べたら頭キーンと来るわなぁ」
って、すばるさんが僕見て笑う。
それに連れて僕も笑った。
ああ、怖いと思ったあの時の僕を殴ってやりたいくらいすばるさん、ほんまええ人!!
そんなこんなで食べ終わると、器も持って帰ろうとしたのを引き止められた。
「ええよ、ここ置いてけ。捨てとくから。じゃ、また。気をつけて帰るんやぞ〜」
って言って、器引き取ってまたまたまたニカっと笑ってくれた。
「ありがとうございます!じゃあ、また!」
「おん!またな」
子供みたいやけど、手ブンブン振って別れた。
また、太陽が燦々としてる道をタオルで汗取りながら歩く。
それにしても、このクーラーボックス重っ!
どんだけデッカい氷入ってんねやろ……
帰った時には筋肉痛になってそうやな……
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作者名:これさわ | 作成日時:2019年4月22日 23時