かわいい黒色さん (ページ1)

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俺の先生《赤×黒》１ページ1

赤色side

高三になった夏休み。
狙っとる大学はあったけど、なかなか俺の頭は勉強というモンに間に合うてくれんくて。
見兼ねたオカンが勝手に家庭教師を雇った。

まぁ、自営業やから、金には困らんやろうけど。
(だからって、俺に何の相談も無いとはどういう事やねん、オカン。)

で、その家庭教師ってのが……

「なんで侯なん」

俺の二個上の幼馴染、侯隆やった。
確かに侯も手つけられへんくらいのアホやったけど、大学行く言うて賢なった。
賢なったけどさ……

大丈夫なんかな？
侯ってさ……

「俺の何があかんのよ？ほら、始めるで！」
「………あれ、あっ、教科書忘れた……！」

気合い十分にカバンを探って慌て出す。

侯は昔からこういう、ド天然なところがある。
例えば、携帯はどこか出かけたら絶対二回はなくすし、財布も何度家の中でなくしたかわからへん。
終いには無いから言うて買ったリップを、袋のまんま捨てるとかな。

ほんま、抜けまくってる。

てか、教科書忘れたら勉強するに出来んやん。

まぁ、そういう天然が可愛いねんけどな。
年上やけど、そんなふうに思うくらい俺は侯のことが好き。

多分、物心ついた時くらいから。