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30話 過去2 ページ31

2105.6.4

「できた・・・」

今までほぼ失敗してこなかった俺でも、幾度も失敗を繰り返した、まだ誰も完成させたことはない、アンドロイド。

人間の脳と全く同じ回路を可能にし、理論的には感情や、思考も可能にする。
人権を得るのに充分なほどのものだ。

思考や感情や五感などの回路はすべて20のときの俺と同じ。エネルギーも有機物から取り入れることができ、廃液や燃え粕なども太ももの辺りから出すことができる。勿論体験した記憶は俺と同じように脳内に保存できる。

要するに、性格が20の俺とほぼ同じ個体というわけだ。

流石に顔は俺とは違うが、なかなかきれいで整った顔立ちの青年。

名前は、アレン。

最初の起動エネルギーのみ電気で送ると、彼は目を開けた。

思った以上に美しい青い目。

「はじめまして。阿伊染アレンです。」

どう見てもただの麗人。これを機械だと、誰が思うだろうか。

「ああ。俺は阿伊染真琴。お前の制作者だ。これからよろしくな。」

彼は俺がはじめて作った自分のための製品。
俺は幸せも喜びもよくわからないが、俺が幸せや喜びを知っていたらどうなったのか、周りの環境が違えば俺はどうなったのか、色々なことが知りたくて作った。

勿論彼には彼なりの人生があり、これからは彼は俺とは別物の個体となるだろう。

俺はその変わり様をこの目で見たい。

それから1年、俺は彼と二人で過ごした。20歳の俺は自分が思っていたよりもっと無愛想で大人げなかった。
しかも教えればすぐ何でもできて、いつもつまらなそうに過ごしていた。

俺と二人などと言う環境では、俺と同じかそれ以下にしかならないだろう。喜びや幸せを獲得なんて、できるはずがない。

結局俺は、アレンにアンドロイドであることを隠すための嘘をいくつか教えて、アレンを外の世界に放り出した。

彼が彼なりに幸せや喜びを獲得することを期待して。

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設定タグ:皇優夜 , 悲恋 , ラブコメ   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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優夜さんのファン1号 - そして私が知らないうちに続々と小説の投稿が増えてる〜ひやー嬉しい悲鳴です (2016年9月24日 21時) (レス) id: 4d4539a309 (このIDを非表示/違反報告)
優夜さんのファン1号 - 15話まで読みました。リサの学校が始まって宿題が難しそうにしているところでアレンが教えてる!頭もいいですね。 (2016年9月24日 21時) (レス) id: 4d4539a309 (このIDを非表示/違反報告)
優夜さんのファン1号 - 8話から10話まで読ませていただきました。面白いです。アレン料理作れるんですね。すごいです。 (2016年9月15日 15時) (レス) id: 4d4539a309 (このIDを非表示/違反報告)
優夜さんのファン1号 - こんな、小説に出会えて幸せものです。次回作も楽しみ過ぎるです (2016年9月12日 21時) (レス) id: 4d4539a309 (このIDを非表示/違反報告)
皇優夜(プロフ) - 優夜さんのファン1号さん» 閲覧ありがとうございます!まだまだ拙い文章ですが、たくさん嬉しい感想をいただけてうれしいです♪今後も随時更新していきますので、閲覧よろしくお願いします! (2016年9月12日 21時) (レス) id: cca9fc0d62 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:皇優夜 | 作成日時:2016年9月10日 23時

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