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店長「Aちゃん、２番目のボタン留まってないよ」
「……」
店長「ちょっと、ぼーっとしすぎ！」
ぽこ、と丸められた特売のチラシが優しく頭に当たった。
店長「給料貰ってるんだから、仕事はしなさい」
「はい、すみません」
言われた通りボタンを留める。
今日はもう、考え事でお腹いっぱいな気分だ。しかも、とっても嬉しいことで。むしろ事が順調に進みすぎているような気がして、急に不安な気持ちが生まれてきてしまうくらいに。
「店長、自分の気持ちをまっすぐ話すことって、すごく大切なことですよね。でもそれって深い仲じゃない限り、そうそうないですよね？」
「…俺？」
「店長との話じゃありませんよ」
「分かってるって。うーん、深い仲じゃなくてもそういうことあるんじゃない？」
「ありますかね」
「うん。相手のことを知りたいって思ったらさ、一方通行じゃ話にならないよ。自分もオープンに、開放していかなきゃいけないじゃん。だから自分の気持ちを素直に吐くでしょ。そうしたら、相手もそれをどこかで感じ取るんだよ。言葉の内容からじゃなくて、その時の空気とか体の動きからね。で、ああ、これはお互いに腹を割らなきゃいけないんだなと。洗いざらい吐かなければ、ってなると思うんだよね。浅い仲だとしても、相手に対して強い思いを抱いていれば当然そうなるんじゃないかな」
「なるほど」
「俺いいこと言うでしょ？伊達に店長やってないよ」
「そうですね」
「……そこはつっこんでいいんだよ」
店長は、Aちゃんはたまに素直すぎるんだよなあ、とぼやいている。
確かに店長の言うとおり、まだ浅い仲の私とギョンスさんはお互いのことをあまり知らない。だから、あんな風に素直に言わなきゃって思ったのかな。私があの場で素直に伝えたからこそ、ギョンスさんも思っていることを話してくれたんだと思う。私たちはお互いに、相手のことを知りたいと思ってる。
私はギョンスさんのことを知りたいと思っていて、ギョンスさんは私のことを知りたいと思っている。
うわあ、なんだか恥ずかしくなってきた。考えるの、やめにしよう。
気持ちを伝えあって。私たちはお互い、好きなんだ。
店長にありがとうございました、とお辞儀をして仕事に入った。
今日はもう考えないようにしようと思っていたのに、あの綿棒を買っていくお客さんが３組もいて、レジ打ちをしていてもギョンスさんのことを思い出さざるを得なかった。
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irusu(プロフ) - ニョルダさん» ニョルダさん、コメントありがとうございます！そんな風に思っていただけるなんてとっても嬉しいです(><)番外編やら続編やらが書けたらいいなとは思っているので、もし見つけたらまたお付き合いください♪ (2016年5月11日 14時) (
レス) id: 0b34310943 (このIDを非表示/違反報告)
ニョルダ - 完結お疲れさまでした!このお話凄く好きだったので少し悲しいです…また機会があれば小説かいてください!! (2016年5月10日 13時) (レス) id: 745f9f8348 (このIDを非表示/違反報告)
irusu(プロフ) - Mikuさん» Mikuさん、最後まで読んでくださってありがとうございました！また何か書けたらいいな、と思っているので、見つけたらまたお付き合いください(^o^)/ (2016年5月9日 13時) (レス) id: 0b34310943 (このIDを非表示/違反報告)
irusu(プロフ) - きちさん» きちさん、コメントありがとうございます！わー！このお話、ひたすら甘く幸せに書こうと思ったのは、ドペンの方に読んでもらいたかったからなんですー！最後までお付き合いくださってありがとうございました＾＾ (2016年5月9日 13時) (レス) id: 0b34310943 (このIDを非表示/違反報告)
Miku(プロフ) - irusuにむお疲れ様でした^o^最後までキュンキュンが止まらなかったです(泣)irusuにむの作品好きなのでまたお会いできたら嬉しいです（＾Ｏ＾） (2016年5月9日 10時) (レス) id: ed772ed87c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：irusu | 作成日時：2016年3月12日 23時
