白鳥沢のレギュラーに選ばれたのは苦労人イケメンでした (ページ29)

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川「A！ブロックの腕は前！吹っ飛ばされるぞ！」

『っ、はい！』

あれから太一さん、瀬見さん、工の力を借りてブロックの特訓が始まった

俺がブロックするたびに飛んでくる太一さんの怒声から、俺のブロックには直すべき点が多くあることを嫌でも気付かされる

川「タイミングをよく見ろ、飛びつくなよ」

『はい！』

太一さんのアドバイスはどれも的確で、さすがは強豪白鳥沢でレギュラーを勝ち取るだけあると改めて実感した

ﾌｰ､と息を吐き、目の前のボールから一切目をそらさず見続ける

工がスパイクに入り込んできたタイミングで瀬見さんの手からボールが離れ、俺はそれに合わせて地面を蹴る

ﾄﾞｺﾞｫｯ

ボールが鈍い音を放って工側に落ちた

打たれたボールを勢いよく弾いたおかげで両方の掌が真っ赤になり、ジンジンと痺れるように痛む

『＿＿＿ｸｰｯ
たまんねぇーこの感じ！！』

工「クソっ！」

ドシャットされた工が悔しそうに俺を見る顔もブロックから得られる快感の一つだ

瀬「今のはすげえドシャットだったなー」

『あざす！』

瀬見さんの褒め言葉に思わず顔がニヤついてしまう

俺はニヤけ面を隠さないまま後ろで見ていた太一さんを振り向いた

『太一さん！今のどうでしたか！？』

川「腕は前っつっただろうが、あと手のひらもっと開け。腕を曲げるな、両足の踏み込みもっと深くしろ」

『.......』

厳しすぎん...？泣