【薄桜鬼】瞳に映すはいつかの思い出 (ページ4)

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強引に部屋に押し込まれてしまった。私たちは手が縛られているし、受け身がうまく取れなかったはず。腰とか打っていないだろうか...

私『大丈夫？痛いところはないか？』

少年「はい…あの、あなたの名前は…」

私『ん？あー…』

しまった。私には名前がないことを忘れていた。前世の名前を使うのもなんだか違う気がするし、新しい名前を自分でつけてみようか。

私『A。Aと呼んでくれ』

千鶴「Aさんですね！私は雪村千鶴と申します。」

私『いきなりだけど千鶴と呼んでもいいだろうか？嫌であれば苗字で呼ぼう』

一応初対面だし本当は苗字で呼ぶべきだけど、アニメを見ていた時からキャラに釣られて「千鶴」って呼んでたから、あまりに今更のことで。
ふとした時に千鶴と呼んでしまいそう。なら、あらかじめ許可をもらっていた方が良いだろう。

千鶴「っ！い、嫌じゃないです...」

私『千鶴？顔が赤いけど、具合が悪いのか？やっぱりどこか痛いところが...』

千鶴「え！？あ、あの...大丈夫です！」

私『でも…』

千鶴「それより！このまま待っていたらきっと殺されてしまうと思うんです！」

私『…その声量で言うことではないのでは』

千鶴「あっ」

私『確かに、逃げるなら今かもしれないね』
　『私は止めない。逃げたければ行くといい』

千鶴「Aさんは逃げないんですか？」

私『私はここに居るつもりだ』

千鶴「そうですか…ごめんなさい私…」

私『気にしなくていい。自分の道を行けばいいさ』

千鶴「では…どうかご無事で。失礼します」

なんだか一生の別れの感動シーンみたいになっているけど、確かこのあと普通に土方さんに捕まるんだよね。
それを知ってて送り出すのは悪いけど…
ごめんね？

千鶴「わっ！」

土方「この馬鹿。逃げられるとでも思ってたのか？」

千鶴「離してください！」

あ、捕まってる。部屋から出るつもりはないし、覗き見くらい許されるよね？

土方「命をかけるほどの理由があるんだろ。洗いざらい話してみろ」

流れ通りで安心した。別に私も逃げたいから一緒に行っても良かったけど、なるべく流れと一緒にしたほうがいいはず…

土方「おい、お前も来い。」

え、私も？？

...果たして本当に物語通りに進んでくれるのだろうか。