二十 ページ22
私 『全然来ないんですけど...』
いずれ殺しに行くって言ったのに全然来ないんですけど、風間さん。私はあまり自由に動けないから貴方にきてもらわないと困るんですけど、風間さん。
平助 「あ、いたいた。土方さんが来いってさ」
私 『土方さんが？』
平助 「なんかみんな集められてるよ」
私 『へー...』
平助と共に隊士や幹部が勢揃いしている部屋に向かう。徳川家茂が上洛するにあたって二条城に入られるまでの警護を新選組は任されたという旨だった。池田屋や禁門の変の働きが認められ、重要な仕事が渡ってきたと皆が喜んでいるようだ。
これだ！警護の時、伝令をしていた千鶴ちゃんに風間さんたちが接触してたはず。
でも、千鶴にとっては初めて自分が鬼かもしれないという事がわかる大事なシーンのはず。後に響くから慎重に行動しないと...
物語通りの千鶴が伝令に走っていく姿を見た。この後、風間さんたちに声をかけられて...あれ？千鶴に声をかけているのが天霧さんと不知火さんだけ...風間さんは？
後ろの気配を察知し振り向いた瞬間には刀が振り下ろされていた。
私 『っ、殺しにくるの遅いじゃないですか風間さん』
風間 「そんなに死にたいか、藤波」
私 『言ったじゃないですか、あなたに頼みたいことがあると』
風間 「穢れた血の言うことに耳は貸さぬ」
風間さんのペースに持ち込まれ、次々来る攻撃を受け流すので精一杯。ひときわ強い力で城壁に打ち付けれ、体が軋む。前にも後ろにも逃げ場はない。
風間 「遺言くらいは聞いてやろう」
私 『それはどうも。貴方に協力していただきたいのは藤波の根絶です』
風間 「何...？」
私 『もちろん私も含めた根絶ですよ』
風間 「死に際の戯言など信用できるものか」
私 『私は貴方を信用しています。貴方は鬼の誇りを大切にしていると知っているから』
風間 「貴様に何が...」
土方 「A！」
風間 「チッ、またお前たちか」
土方 「将軍の首でも取りに来たかと思えば、こんなガキどもに何の用だ」
風間 「将軍も貴様らも今はどうでもいい。これは我ら鬼の問題だ」
土方 「鬼だと...？ふざけたこと言ってんじゃねぇ！」
風間 「雪村千鶴も藤波も貴様らには過ぎたことだ」
私 『風間さん、今彼らは関係ないはずです！私の話を...』
土方 「お前は下がっていろ！」
守ってくれるのは嬉しいけど私は風間さんと話があるんですよ土方さん...
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作者名：柊木 | 作成日時：2023年3月25日 1時
