【薄桜鬼】瞳に映すはいつかの思い出 (ページ21)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:571 hit

閑話２ページ21

私『わぁ...！綺麗だね！』

千鶴「ほんとだね、Aちゃん！綺麗...」

平助「あぁ...」

原田「確かに、綺麗だな」

千鶴は桃色、私には黄色を基調とした着物を用意していただいた。春らしくてすごく可愛い。今日は隊士の目がないんだしAちゃんと呼んで欲しいと提案したところ、二つ返事で了承してくれた。女の子の友達は転生以来だから、楽しくて嬉しくてしょうがない。

土方「女物を着るのが初めて、か」

永倉「Aちゃん、どんな家に生まれたんだろうな」

原田「覚えてるか？素性を聞いた時のこと」

斉藤「知った者は口封じしなくてはいけない秘密があると言っていたな」

沖田「一体何を隠してるんだか」

私『皆さーん、早く！すごいですよ、桜が！』

原田「こっちはこんな会話してるってのに、呑気なもんだなぁ」

沖田「はしゃぎすぎて転ばないでよ」

私『転びませんよ！あっ』

沖田「っと、ほら言わんこっちゃないでしょ」

私『すみません...』

沖田「綺麗だね、その髪飾り」

最初はいつも通り衣被をするつもりだったけど着物と一緒に髪飾りを近藤さんが用意してくれて、付けないわけにもいかず...
着物の色に合わせた飾りがシャラシャラと揺れてとても綺麗。

私『普段付けれないのが申し訳ないです』

沖田「近藤さんが選んだんだから大切にしてよね」

私『分かってますよ』

永倉「お二人さん、始めるぞー！」

千鶴と二人で作ったお弁当を食べながら賑やかな時間が流れていった。原田さんの腹踊りやら永倉さんの一発芸やらお酒のせいでいつもより馬鹿騒ぎになっていたけど。

私『幸せな時間だなぁ...』

少し離れたここまで楽しそうな笑い声が聞こえてくる。このまま時間が止ればいいのに。この桜のように咲いては散って、いつかは枯れて...
吹く風に舞い散る花びらが、手の平からひらりとすり抜けた。

沖田「あんまり遠くに行かないでよ」

私『今日はやたらと私に話しかけますね？』

沖田「酔ってるかもね」

私『お酒を飲む前から？』

沖田「...君のせいだよ。君が____」

私『え？風の音で聞こえ...』

沖田「花に気を取られて迷子になりそうだからね」

私『ちょっと！私は子供じゃないんですけど？』

沖田「ほら、桜餅がなくなっても知らないよ」

私『え！？食べ始めてるなら早く言ってくださいよ！』

私から言わせれば、あなたの方が____ですよ