十五 ページ15
私 『あなたに頼みたい事があります。あなたなら、藤波を知っているでしょう?」
頭領という高い地位、しかも純血となるといくら藤波が閉ざされた鬼の一族であっても知っている可能性は高い。この特徴ある髪と瞳を見せれば気付くと思った。
風間 「穢れた血が…!なんと忌々しいことか。今ここで殺してくれる!」
私 『くっ…!』
刀を抜き、応戦するけれどやはり押されてしまう。速さにはついていける、だけど力が足りない。男女の差ということか...
多少の怪我は気にしない。今は話を聞いてもらえるよう隙を作らないと...!
風間 「無駄なことを...死ね」
沖田 「あんたの相手は、僕だよね!この子に手を出さないでくれるかな」
私 『お、沖田さん...!そんな体で無茶しないでください!』
風間 「愚かな…その様ではもはや盾の役にも立つまい」
沖田 「僕は…役立たずなんかじゃない!」
千鶴 「駄目です!血を吐いてるのに!」
風間 「ふ…まぁいい。お前たちがここに踏み込んできた時点で、俺の務めも終わっている」
沖田 「ま、待て!くそ…僕は、まだ…」
風間 「藤波、いずれ殺しに行く」
私 『.......』
長い夜の戦いが終わり、人数と状況を考えれば新選組はめざましい成果を収めたが、決してこちらの被害が小さいわけではなかった。沖田さんと平助も、鬼である風間と天霧との戦いで重傷を負うこととなった。
後に池田屋事件と言われるこの大きな出来事は、幕を下ろした。
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作者名:柊木 | 作成日時:2023年3月25日 1時