【薄桜鬼】瞳に映すはいつかの思い出 (ページ13)

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十三ページ13

土方さんに千鶴と私が呼び出された。千鶴は外出許可についてだろうけど、なんで私まで呼び出されたんだろう...

土方「お前らに外出許可をくれてやる」

千鶴「えっ！ありがとうございます！」

私『お前ら...？な、なんで私も？』

土方「お前らがバラバラになると、その分監視役が必要になるだろうが。ただでさえ人不足だってのに」
　「それにお前はなかなか腕が立つと斎藤と総司が評価していた。少し働いてもらう」

私『そんな...』

土方「市中を巡察する隊士に同行しろ。組長の指示には必ず従え」

千鶴「はい！」
私『はい...』

土方「雪村は総司、Aは平助の隊に同行しろ」

今頃千鶴は道ゆく人に綱道さんの情報を聞いてるんだろうか。私は部屋に引きこもってるつもりだったのに。こんなことなら、斎藤さんとの手合わせを断れば良かった。

私『はぁ...』

藤堂「いい加減元気出せって。せっかく外に出たってのに、下ばっかり見てちゃ勿体無いぜ」

私『そう言われても...』

あぁ、人の視線が刺さる...布被ってるやつは変に見えるだろうけど。
旅してた時は笠もしてたし、髪に汚れがつきにくいからっていう理由で誤魔化せた。何よりちょっと変わったところから来た旅人っていう言い訳が一番効果的だったのに、新選組の巡察に同行してると旅人って言えないよ。

藤堂「なぁなぁ、A強いんだって？今度手合わせしてくれよ！」

私『悪いけど、もう手合わせはしないって今心に決めたから』

藤堂「えーなんでだよ！一君だけずるいじゃん！」

私『町中で駄々こねないでよ...平助うるさい』

隊士たちが呆れた目で見てきてるじゃん。ほんと目立ちたくないんだって。
もう帰りたい...

憂鬱な巡察を終えて屯所に帰ってくると、千鶴と沖田さんの一番組は既に帰還していたようだ。だけど、なんだか騒がしいような...

私『あ、忘れてた。これって...』

新選組で有名な「池田屋事件」
そのきっかけとなる出来事が起こるのは一番組の巡察中ではないか。

古高俊太郎を新選組が押えたことにより長州が今後の方針を今夜にでも話し合うだろうと予想し、新選組は動ける隊士を集め出陣を決意した。