見たことのない世界へ -番外編- 【歌い手】

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中に入ると、サンタの帽子ともしゃもしゃの白い髭をつけて メリークリスマス！とノリノリの私の彼氏。

それを、冷めた目で見ながら 缶ビールを飲む まふくんとそらるさんがいた。




｢ め、メリークリスマス… ｣


｢ Aでさえ引いてるぞ坂田。なんでそんなノリノリなんだよ… ｣


｢ クリスマスパーティーってなんかいいじゃん！はい、Aちゃんっ これクリスマスプレゼント！ ｣


｢ 来て早々ですか!? ｣


｢ 早く渡したかったみたいですよー ｣


｢ ずっとソワソワしてたからね、坂田 ｣


｢ そう…なんですか？ ｣


｢ うんっ、これが渡したくて ｣





はいっ、と渡された 小さな箱。それを手に取って しげしげと見詰めてると 早く開けてみて！とワクワク顔のさかたん。

うらたんに お前もしかしてこれだけのためにパーティー開いたんじゃないよな？とじとり、と見られてたじたじになっている さかたんを横目に見ながら、丁寧に箱の包装をといていく。

綺麗な箱をそっと開けると、そこには ピンクゴールドの小さな十字架がついているシンプルなネックレスが入っていた。





｢ …これ ｣


｢ そんな高価な物じゃなくて申し訳ないんだけど… どうかな ｣


｢ 学校…つけていけないじゃないですか ｣


｢ あっ！！！えっ、ごめん！ ｣




緩みきってしまいそうな頬を必死に堪えて、なんでか涙が出そうなのも必死に抑えて、素直に ありがとうなんて言ったもんなら 我慢出来なそうだから、ちょっと捻くれたこと言ってみたりして。

嫌だった？ごめん！なんて わたわたする さかたんに、嫌じゃないですよって意味で ふるふると首を振ると、何を勘違いしたのか 嫌だった！？と尚聞いてくる。





｢ 坂田、A喜んでるから 落ち着いて ｣


｢ なんで そらるさん分かるんすかっ ｣


｢ そりゃ、Aのお兄ちゃんだからね ｣


｢ 自称お兄ちゃん、ですよね ｣


｢ まふ なんか今日厳しくね？ ｣


｢ あっ、あとね！それ…俺と ペアになってて、ほら 見てこれ ｣






もふもふした髭をぺりっと取って、着てる服を少しだけ伸ばすさかたん。見えやすくなって首についているのは、私とお揃いのデザインのシルバーのネックレス。





｢ 付き合ってから結構経つけど、ペアのとかあんま持ってへんなぁって思って… 坂田サンタからのクリスマスプレゼント、やねんけど ｣





ちょっと遅くなってもうたけど、ごめんな？なんて さかたんは首を傾げながら私に言う。

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