せんるーと 1 ページ1
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今日は 月に一度程度、会えるか会えないかの大人な雰囲気が漂う彼とのデートである。
名古屋からの新幹線がつくのは ここの駅しかないから、休みはあんまり家から出ずに 人と関わらず生きてる弱い身体を 引き摺って東京駅へと出た私は、新幹線降りばの出口から 少し離れた所の壁に寄りかかり彼を待っていた。
ケータイを弄っていれば 通知が鳴って、
『もうそろそろ着くから待っててな』と。
彼からの連絡に にやける頬を必死に抑え、
『はい待ってますね』と返信した。
…ところで、スッと誰かが前に立つ。
邪魔になったかと慌てて顔をあげれば、そこには優しく微笑んだ先程まで連絡をし合っていた彼。
「 センラさん!? え、今 連絡来て…あれっ? 」
「 ちょっと驚かせようと思って、すぐそこで それ送ってん 」
嬉しそうにスマホ弄ってたの、見てたで と意地悪く笑うのは、何度も言うようだが名古屋からわざわざこちらに出てきて 少し空いた時間を会いたいからーって私に回してくれる優しい人、センラさんである。
「 今日もまた、仕事の合間に…ですか? 」
「 そやね。今日は仕事の方かな 」
最近、センラさんは 仕事や歌い手さん同士の打ち合わせでこっちに来ることが多くなった。
その度に、あんまり会えへんから 会いたいなって連絡をくれて、こうして会うようになった。
私に会った後にそのまま会社に行くのか、それとも 会社に行ってからこちらに来たのか。
服装は スーツとまではいかないものの、いつもの ゆるく纏められた落ち着いた服装とは違って、少し堅くキリッとした大人びた服装を身にまとっている。
こんな彼の隣を、餓鬼みたいな私が並んでいいのか…と疑問に思うが、今日はどこ行こうかと優しく楽しそうに笑ってくれるセンラさんに つい甘えてしまうのが事実で。
今までも こうして甘えて、色んなところを連れ回してきっとセンラさんを疲れさせてるんだろうなって思う。
でも、センラさんと一緒にいると すごく楽しくて もっともっとって、欲張りになる自分が出てきてしまうのだ。
…でも、今日は少し違って。
仕事の合間なのだ。やはり、疲れさせるよりも休んでもらった方がいいはずだ。だから…
「 今日は、私の家に来ませんか? 」
家に来てしまえば、やることといえば多くはないけれど この人混みの中色んな場所へ行って疲れるなんてことも無いだろう。
そんなことを考えて、私はセンラさんにそう問うた。
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メア - END!? (2022年5月12日 16時) (レス) @page15 id: 7eca0bc8a4 (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - 紫乃@坂田家さん» 今時期 クリスマスとか書くのも遅いなーとか思いながら書いたやつですが、喜んでもらえて何よりです笑 可愛いさかたんをもっと書けるよう頑張ります! (2018年1月4日 15時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
紫乃@坂田家 - うおおおおありがとうございます!!さかたん可愛い……そして何より空綺ちゃんがもんのすごい可愛い……何なんだお前らッ!← 本当にありがとうございます!!感謝感激雨あられ!!← (2018年1月4日 10時) (レス) id: d70a2ffcc9 (このIDを非表示/違反報告)
キャンディット(プロフ) - 零生さん» いえいえ。直ってよかったです!! (2018年1月2日 17時) (レス) id: 8583ad440a (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - キャンディットさん» ご指摘ありがとうございます、直してまいりました! (2018年1月2日 15時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
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