【歌い手】勘違いファンサで騒いでツイートしてるそこの女にマウント取りたい【天月】

20話 ページ20

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冬はライブ前の準備がたくさんある。

私は履いているヒールを運動靴に履き替え、コートを脱いでカイロを外した。

冬場でも会場内は暑い。

最初から最後まで天月くんに集中するためには事前準備が大切だと、初めてのライブ参加で知った。

席は最前真ん中。

今回も天月くんが用意してくれた席で、最近は最前真ん中が私の指定席になっていたりする。

少し早めに着いてしまい、席に腰を下ろした。


｢Aさんですよね？今回も最前真ん中なんですか？｣


(笑)が付きそうな話し方。

歳は私と同じくらいだろうか。


『そうなんです。日頃の行いがいいからですかね。』


嫌味ったらしく返してやる。

てか誰だよお前同担が話しかけてくんな


｢ウケるんだけど。オキニで天月とヤッてるやつが何言ってんの？｣


うわあこいつ好きじゃない、きらい。


『ヤッてないです、証拠もなしにそういうこと言わないでくれますか』


そうなんです！お風呂も一緒に入りました！他の歌い手とも面識あるんですよ！、そう言いたいけれどその話が広まって困るのは私じゃなくて天月くんたちだ。


｢あれだけTwitterで匂わせといてそれですか？｣


いやどっちだよどうしてほしいんだよはっきり言えよ


『はっきり言わせてもらいますが、私は天月さんと繋がってませんし面識もありません、たぬきの話は誰かが広めた嘘の話です。私は本当のことしか言えません。わかっていただけたら席に座ってください。周りに迷惑です。』


｢ですよね！あんたみたいな骨ブスが天月のオキニなわけないですよね！｣


は、と思わず声が出る。

なんなのこいつ、お前はデブだよブス！！！！！！！！

本当に、気分が悪い。

私はかばんを拾い上げるとコートも着ないで会場の外に出た。

せっかくのツアーファイナルなのに、どうしてこうなるんだろう。




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