女バレ（仮）の無表情女子【稲荷崎】 (ページ3)

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無表情女子ⅲ ページ3

北が驚いている間、侑が守矢に話しかける。

侑「自分、もしかして天然なん？」

『天然？ここ体育館やで？植物ないよ？』

はて？と首をかしげた守矢に、角名が隠れて静かに吹き出していた。

銀島「こ、これがマジモンの天然女子…」

『女ん子、植物やないで？』

真顔でそう語る守矢の後ろから、同級生の女バレ部員・"東雲水葉"と、"百合枝伽奈"が抱きつく。

東雲「ホンマかわええわ～、ウチらの天使～」

『天使？どこにおるん？』

百合枝「ホンマかわええ～」

キョロキョロと探す守矢とほわほわとした2人の謎の空間が出来上がる。

黒須「取り敢えず、なんとなく分かっては来た！」

大見「ザックリとやけどね」

頭を抱える黒須と、苦笑いの大見に、皆の視線が集まった。

黒須「女バレ部員は、守矢が可愛いくて仕方ない。そやな？」

女バレ-守「「「「「「はい！！！！」」」」」

今までにない程の良い返事に、若干顔が引きつる男バレ。

黒須「けどなぁ、毎回こんな風になられたら困るんやなぁ」

はぁ、とため息をついた黒須に、子吹がある案を提示する。

子吹「せやから、この際、守矢を男バレのマネージャーにしたらええんやないかと思うとる。守矢は確かに女バレに混ざっとるんやけど、正式な部員やのうて、仮やねん。こん子らが、守矢を無理に連れて来ただけの話やから」

大見「おお、それはええかも知れませんね。女バレはちゃんと部活に専念できる様なるし、ウチらはマネが出来て仕事が少なくなって練習に専念できるし、一石二鳥やな！」

元気に告げられた大見の言葉に、女バレの部員達が顔を青くし出した。

黒須「ウチはええけど、守矢、お前はそれでええんか？」

とんとん拍子に進んでしまっていた話しに、確認のため本人に問いかける。

『ウチはええですよ。バレーは見るのもやるのも好きやし、人の支えになれるんやったら、何でもします』

そう紡がれた守矢の言葉に、辺りは静かになった。

黒須「さよか。そんじゃ、次からは女バレやなくて、男バレのほうに来てな？後で入部届けは渡すさかい」

『分かりました』

二人の会話が終わった途端に、女バレ部員達が守矢に抱きつく。

佐野「衣織！なんかあったらウチらに言うんやで！」

真田「せや！男バレなんて！蹴散らしたる！」

乃咲「ウチのせいでゴメンな～」

時雨「頑張るんやで！」

東雲「きばりや～」

百合枝「応援しとるけんな～」

永遠の別れかの様な女バレ部員達の行動に、若干男バレは引いていた。