女バレ（仮）の無表情女子【稲荷崎】 (ページ2)

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無表情女子　ⅱ ページ2

やっと動き出した北が、守矢に近づく。

北「自分、もしやけど、さっきまでの演技なん？」

『？りーちゃん達が、そうしとけ言うとったけん』

頭に？を浮かべた守矢を見た後に、北は俯いている時雨に視線を向ける。

北「時雨さん。これだ言うことなん？」

完全に圧を掛けて放たれたその言葉に、誰もが黙っていると…

真田「アカーン！！衣織ちゃんの可愛さがバレてしもうたー！！」

佐野「乃咲！お前何してくれたんねん！！」

乃咲「ホンマすんません！！」

時雨「衣織ちゃんは渡さん！！」

頭を抱えて叫ぶ真田、怒鳴る佐野、深々と土下座をふる乃咲、守矢を背に威嚇する時雨、その他女バレ部員達も、アワアワと慌て出すカオスが出来上がった。

尾白「どないなっとんねん」

大耳「カオスやな…」

赤木「女バレって、こないやったか？」

今までの凛とした女バレとは思えない変貌ぶりに、男バレは唖然たする。

『まーちゃん。ウチ、なんか悪い事したんか？』

同じ女バレである筈の守矢でさえ、この状況に困惑していた。

時雨「衣織ちゃんはなんも悪ない。悪いんは全部あのアホや」

ビシッと、未だに土下座をしている乃咲を指した時雨。

黒須「ま、まず、一旦落ち着いて整理しよか。全員集合！」

監督の声が掛かった瞬間、女バレも男バレも素早く集まり、腰を下ろす。

大見「取り敢えず、女子バレーのこの状況、どうゆうことなんですか？」

申し訳なさそうに目を伏せている女バレ監督・"子吹和美"に、視線が集まった。

子吹「ホンマ、男バレの皆さんすみません。まぁ、さっきの見た通り、うちの部員達は守矢衣織を、何故か異様に溺愛しとってな。今までの守矢の失礼な態度等も、この馬鹿達が仕込んだことなんよ。守矢が可愛いから、変な虫つけん様にとか言うて、疑うことをどっかに置いて来た守矢に色々教え込んでな…」

疲れ切った様に話す子吹に、真田が声を上げた。

真田「当たり前ですやん！衣織ちゃんは可愛い！これは学年女子全体での意見やで！ウチらが守らな誰が守るんよ！」

ふんすふんすと息を荒くして言う真田に、北が守矢に声をかける。

北「守矢、お前は真田さん達に指示される通り動くんのに、なんとも思わんかったんか？」

その質問に守矢は考えるそぶりをした後、北に視線を向けた。

『最初は戸惑ったけど、クラスの皆も仲良くしてくれるから、これが普通なのかと…』

その返答に、北は目を見開いて驚く。