sweet valentine2〜sho〜 ページ9
.
「紫耀君あげる！」
「もらって！」
騒つく教室。
騒つく、廊下。
バレンタインデーとやらの、イベントは凄く苦手。
知らない子に話しかけられて、チョコレートを受け取る。
特に好きだなんて言われると、なんでなん？なんて思ってしまう。
でもチョコレートに罪は無いし…って事で、毎年断らずにもらっていた。
.
ガラッ、
放課後
Aの教室のドアを開けると、そこには隣同士に座る廉とAがいた。
「いつもありがとう」
そう言って手渡していたのは、きっとチョコレート。
あー、もう。
俺もまだ貰ってないのに、
なんて、またくだらない嫉妬をしてしまう。
バレンタインデーになんて興味無かったけど、やっぱり大好きな彼女からのチョコは欲しい。
紫「A、帰ろー！」
「うんっ」
俺が迎えに来るととびっきりの笑顔で駆け寄ってくる。
沢山愛情を感じてるはずなのに、こんなに不安になってる俺は情けない。
.
.
紫「これさ、廉と同じなん？」
「へ？」
多分聞いちゃいけなかった言葉。
カッコ悪いなんて分かりきってたけど、つい口から溢れでてしまった。
でも…、
.
「ううんっ。廉君と沙耶にはトリュフを作ったの。紫耀にはね、私の中では得意なガトーショコラあげたくて。」
「昔ね、よくお母さんと作ってたのケーキとかクッキーとか。その中でもね、ガトーショコラ、家族みんな喜んでくれて。」
「こないだね、お兄ちゃんに言われて。Aの作ったガトーショコラ美味しかったから、紫耀君にも食べてもらったら？って。」
「久しぶりに作ったから美味しくできるか不安だったけど、好きな人に喜んでもらえるって幸せだね」
あー、やっぱ俺はAに勝てんなって改めて思った。
ぎゅっ、
「…ひゃっ、」
紫「あーもー、大好き」
愛しさが溢れて、小ちゃな身体を抱きしめる。
「ふふっ、…幸せ」
俺の背中に腕を回して、俺の胸に彼女の頭が寄りかかる。
紫「…ごめんな、ヤキモチばっかで、しょーもないよな。」
「ううん…そんなの、お互い様だよ。」
紫「え？」
「私も、恥ずかしいくらい、いつもヤキモチやいちゃってるよ？」
sweet valentine3→←sweet valentine1
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 969人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さあ(プロフ) - 彼女がだいすきな紫耀くんが可愛いです (2019年8月3日 21時) (
レス) id: 2afd330adc (このIDを非表示/違反報告)
さあ(プロフ) - 更新たのしみです！ (2019年8月3日 20時) (レス) id: 2afd330adc (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - このお話とっても好きです。更新楽しみにしていたので嬉しいです。これからも楽しみにしています！ (2019年8月3日 16時) (レス) id: fac0ef0b2e (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 主人公ちゃんと紫耀くんのやりとりにきゅんきゅんさせてもらってます(^^)更新待ってます！ (2019年7月14日 1時) (レス) id: 58cd05361e (このIDを非表示/違反報告)
mgc0721(プロフ) - 楽しく拝読させていただいております。作者さんの心情の描写が大好きです。これからも応援しています。 (2019年1月17日 1時) (レス) id: 425a81985a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りりこ
| 作成日時：2018年12月10日 6時
