二大勢力 ページ28
此の頃、碌に食事が喉を通らなかった。
いっぱいいっぱいの毎日は、流石に精神に堪えるものだ。
閻魔の友人であると云うだけで王宮に留めて貰っていたが、最早私を引き止める者は閻魔の孫と息子だけであった。
充分な地位を持つ二人の其れだけで何とか王宮に留まれてはいるが、日に日に増す悪意たっぷりの嫌がらせに殆呆れて嫌気がさしていた。
そんな頃だった。
妖魔界では新たな騒動が波風を立てていた。
なんと、妖が元祖と本家の二大勢力に分かれ争っているという。
始めこそ些細な争いだったそうだが、其の喧嘩は次第に大きくなっていったそうだ。
私も、王宮では足手纏いであるからと何方かの屋敷に世話になる事になったのだ。
逃げられぬようにとお付きを二人携えて、先ずは本家の屋敷へと向かうことにした。
………何と形容したらいいのだろう。
一言で言うと締まりがなかった。
大将と呼ばれるに相応しい威厳は雀の涙程もなく、間抜けなしたり顔で、よく言えば大胆不敵と云う様だ。
私を一目見たかと思えば、気に入ったとでも言うかのように口説いてきた。
ウマが合わないのだろうか。
如何も本家の大将は好きになれず、保留ということで元祖の屋敷に向かった。
………何と形容したらいいのだろう。
一言で言うと仰々しい。
風格も威厳も持ち合わせてはいるが目を合わせる事すら躊躇った。
しかし話してみると、存外に優しく気さくである。
何方かを選べと言われたならば間違いなく此方だろう。
両者甲乙つけがたいものかと思っていたが。
こうして元祖軍は私の新たな心の拠り所となっていった。
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作者名:咲羅 | 作成日時:2018年4月28日 2時