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今生の死別 ページ25
行きたくなかった。行けなかった。
私の中の閻魔は何時でも何の苦しげもなしに笑っていたから。
其のイメージだけをずっと脳裏に留めておきたかったから。
閻魔があの時言った言葉は、今思えば死を悟っていたかのような口振りであった。
簪屋でのあの言葉。
『其れを着けなくとも懐中に我との記憶と共にしまっていて欲しい』
あの時吹いた風の匂い、土埃、閻魔の温かい声色……………
其の全てが一つのパノラマの様に頭を巡った。
涙は止め処なく溢れてくる。
思えば余りに優し過ぎた閻魔。
烏滸がましいとは判っているが、閻魔は私を愛し、私は閻魔を愛していたと断言したい。
いや、私の感情は愛と云うより執着だったのかもしれない。
しかし閻魔の其れは紛れもない無償の愛情だった。
白菊に囲まれた亡骸の冷たい頬。そっと手を当て口付けた。
私はいつもそうだ。
大事なことも告げれぬまま、二度と逢うことも叶わない其の時に初めて届かない声を上げる。
後悔ばかりの今世だ。
愛してる。
さようなら。
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作者名:咲羅 | 作成日時:2018年4月28日 2時