四十四杯目、兄と妹 ページ45
A「何か違う気がするんですよねー…。」
その日の営業が終わって、僕たちがホッと一息ついたとき、Aがつぶやいた。
デン「違う?」
A「あのケーキ、あるじゃないですか?あれを今日味見してみて…なんか違うと思ったんです。」
ノル「…。」
A「何が違うのでしょうか…?」
それだけ言うと、Aがフラっと立ち上がり、キッチンに入っていった。
スー「まだ…悩んでるみてえだなや。」
フィン「確かに、ちょっと元気ないですよね…。」
ノル「今回のことで一番努力してるのはAだべ。」
アイス「…。」
そうだよね。
チームのリーダーはダンだし、この喫茶店のマスターもダンだけど、一番この大会に向けて頑張ってるのはAなんだよね…。
デン「…。」
それにしても、ダンが黙ってるなんて珍しいね。
デン「…俺、もう休む。」
不機嫌そうな顔で階段を上がるダン…。
・
…。
俺は役立たずだっぺ。
Aが一番いろいろ考えてくれてるってのに、この喫茶店のマスターである俺は…何もしてねえ。
んあー…
なんか頭がむしゃくしゃする…。
…。
Aが悩んでるってのに…。
助けられねえ俺が情けねえ。
コンコン…
なんだっぺ…?
A「兄さん?入ってもよろしいですか?」
デン「ああ…。」
Aか…
デン「どうしたんだっぺ?」
A「いえ…なんとなく…です。」
ものすごく疲れた顔をしているA…。
考える前に体が動いた。
デン「A…っ。」
A「!??///」
思い切りAの身体を抱きしめる。
A「く…苦しいです兄さん…///」
デン「おう、悪ぃ悪ぃ!でも…」
A「?」
デン「ごめんなA…俺、何もおめえにしてやんねくて…」
一人で頑張って準備してたのに…。
A「兄さんが謝ることじゃないでしょ!」
デン「へ?」
いつもと違う口調ーーーー…。
A「これは私が好きでやってるんです!だから、兄さんが謝っても仕方ないんですよ?」
やっぱりAは優しい…。
だからこそ…
デン「おっし!!Aっ!俺、Aと一緒に新しいケーキ、開発するっぺよ!」
A「え…っ?」
デン「今までなんもできなかった分、がんばっから!!」
ヨーロッパ予選まで、もうすぐだっぺ!
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祈り子の夢(プロフ) - めっちゃ、面白いっす!あと、友希いいすか? (2011年11月7日 20時) (レス) id: 3da27dd20e (このIDを非表示/違反報告)
イギリス命(プロフ) - そうでしたか、恐れ入ります すみません後、私には、呼び捨てでタメでいいですよ (2011年9月30日 7時) (携帯から) (レス) id: 0ab2d64ee3 (このIDを非表示/違反報告)
しざき@ - 2424してしまい他の人にドン引きされた… (2011年8月27日 20時) (レス) id: 2921c5471f (このIDを非表示/違反報告)
あくあ☆ - 初めまして、小説すっごく面白かったです! 個人的に北欧好きなので、キュンキュンしました☆←これからも執筆頑張ってください、心から応援しています! (2011年8月25日 1時) (レス) id: 9ec06f2105 (このIDを非表示/違反報告)
クレナイ - イギリス命様>一杯目は、アイス君目線で書いているので、「ダン」で大丈夫なんです〜!キャラ表記とナレーション的文章は一応別にしてあるので、読みづらかったらすいません!! (2011年8月2日 0時) (携帯から) (レス) id: efac0a9753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:櫻樹クレナイ