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「ショッピくん、チーノ！見てや、社の上の子かわええな！」
「ん？何いうとりますの、誰もおらへんよ？」
「ボケたんちゃいます〜？」
「まだ１０歳じゃい！」
ん？後から来た二人には私のこと見えてないのかな。恐る恐る二人の前に降り立って顔の前で手を振る。しかし、村の人と同じで何の反応もしない。
『見えてない……』
「なんでや？」
「俺らと二人が違うところ、か」
「あ、お前らまだ９歳だからちゃう？」
「みんな、なんでそんな顔しとるんですか？え、怖いわ……幽霊？Aさまの幽霊見えとんの？」
『幽霊じゃないわよ神様って言いなさいよ！』
「わあ、怒ってるぞAさま」
見えてる子たちはケラケラ笑い、見えてない子は怖がって離れてしまった。つまり、私は１０歳以上大人未満の子に見えるってわけね。
『さまなんてつけないで欲しい。よかったら友達になろうよ』
「お、いいぞ。神様の友達は初めてだ。俺はグルッペン」
金髪の子が長い木の棒を振りながら自己紹介してくれた。
「俺はトントン」
豚のお面を頭に付けた背の大きい子。
「オスマンだよ」
「ひとらんらん」
糸目の優しそうな子と黒髪短髪の運動出来そうな子。
「僕は鬱先生、仲良うしような」
「オレはコネシマ！」
メガネの気だるそうな子と金髪でボールを抱えている子。
「俺がシャオロン、こっちがゾム」
「ﾁｯｽﾁｯｽﾁｯｽ！」
ニット帽をかぶっている子とキャップを目深にかぶっている子。
「私はエーミールと申します」
「んでオレがロボロ！」
『それはさっき聞いた』
色素の薄い茶色の髪の毛の子と、ちっちゃくて、だけど声が大きい子。
わあ、個性豊かで面白い。
私の事が見えてない二人は、みんなの事をみて困惑していた。そうだよね、いきなりなにもない空間に向かって自己紹介し始めたら怖いよね。
「あっちのドン引きしてるのがショッピ、ぐるぐるメガネがチーノだ。確かもうすぐショッピくんは誕生日やったな？」
「そうですけど」
「２人が１０歳になったらまた紹介しよう」
『うん、待ってるね』
「紹介ってなんやろ……幽霊が仲間とか怖すぎん？」
「そうやんな……兄さんたちちょっと頭おかしいんちゃう？」
「ヒソヒソしてても聞こえてんぞお前ら！ホンマにいるんやて！」
わいわいと話しながら、みんなは家に帰っていった。お昼なんだろう、なんて平和な話で盛り上がっている。
私は、こういう平凡な幸せを守りたい。
。
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ベルギーチョコ(プロフ) - ティッシュ一箱使い切るまで泣いてました。今までで一番泣いたと思います。本当に素晴らしい作品をありがとうございました (2021年12月13日 4時) (
レス) @page30 id: a8b18d6813 (このIDを非表示/違反報告)
えみ(プロフ) - 今まで読んだ作品の中で一番綺麗な世界観と文章でした。もっと早く出会いたかった…こんなに素敵な作品をありがとうございます。 (2021年6月17日 19時) (レス) id: 325d54ee5c (このIDを非表示/違反報告)
人妻すここ(プロフ) - bloomさん» はじめまして、最後まで読んでいただけて嬉しいです。そう言っていただけて、同じ文字書きとしてとても嬉しいです、こちらこそコメントありがとうございました！ (2021年3月26日 5時) (レス) id: 89365ba13c (このIDを非表示/違反報告)
bloom(プロフ) - 素敵な作品に出会えました。この作品に感化されて私も話を書いてみようと思えました。ありがとうございます！ (2021年3月26日 0時) (レス) id: 8bbe5d5c73 (このIDを非表示/違反報告)
人妻すここ(プロフ) - あるかさん» コメントありがとうございます！確かに少なめですね、見つけていただいてありがとうございます。後書きまで読んでいただけたのでしょうか、感謝です。幸せなラストだと仰っていただけて嬉しいです、これからも頑張ります！ (2020年3月30日 16時) (レス) id: 89365ba13c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すこ | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/home
作成日時：2020年2月2日 8時
