【d!】勿忘草を咲かせて２【rbr】

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大きな瞳にたくさんの涙を浮かべて、ロボロは私に笑いかけた。
"天"とかかれた布を頭につけて、空の青に溶けていく。

グルッペンに捕まれていない手を必死に伸ばすけど、ついに届くことはなかった。


ロボロ、ロボロ。大好きな人。何よりも大切な、失いたくなかった人。

自分の中の暖かい感情を受け入れてくれて、同じ分だけ愛してくれた人。
いつも明るく穏やかで、夕暮れの寂しさをかき消してくれた人。
たくさん逞しい腕で抱き締めてくれたから、社でひとりぼっちになっても大丈夫だと強がれた。


もう、ロボロはいない。



『……みんな、今まで遊んでくれてありがとう』
「泣きながら言うなやあ〜！」
『コネシマも泣いてるじゃん！』
「あ〜！いやや〜！」

「ホンマに？消えちゃうんすか？」
「まだ鬱兄さんの愚痴言い足りないのに……」
「オレらだけあと一年あったのに……っ！」
『ごめん……仲良くしてくれてありがとう』

「A……」
「生まれ変わったら、美味しいものたくさん食べるんだよ、」
『うん、ありがとうひとらん、オスマン』
「……めう」

「あんまり社に行けなくてすまんな」
『ううん、ゾムが気にしてくれてたのロボロに聞いてたよ』

「ロボロと仲良くしてくれて、ありがとう」
『こちらこそ、ロボロと仲良くさせてくれてありがとうシャオロン』

「……さみしなるなあ、女神サマがおらんと」
『鬱大先生は、女の子を大事にして？』
「え？……Aちゃんに言われたらするしかないよなあ」

「妹が出来たみたいで楽しかったわ。今までありがとうな」
『トントンもありがとう、頼りがいがあってお兄ちゃんみたいだったよ』
「……また同じ時代に生まれ変わりたいな」

「そうですね、人間に生まれ変わったら我々とまたこうして友達になりましょう」
『うん、エーミールも毎日来てくれてありがとうね』
「また、絶対に会いに行きます。どこへでも」

『グルッペン、いつまで腕を掴んでるの』
「離す気はない」
『でも、消えちゃうよ』
「それでもだ」
『……グルッペン、あなたが村長になった村が見たかった。絶対にいい村になる。私が保証する』
「はは、神様に保証してもらったら心強いな」
『だからね、みんなのことよろしくね』


消えてしまった右腕をずっと掴んでいるグルッペン。

ありがとう。

最後の言葉は音にならずに、虹と一緒にゆっくりと消えた。




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