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少し安堵し、墓の周辺をみんなで探す。すると突然雨が止み、みるみる空が明るくなっていく。
突然のことにビックリして、立ち止まって空を見上げた。青空には虹がかかっていてとても綺麗だった。
「……A」
『え……ろぼ、ろ？』
ふと聞こえた愛しい声に、振り返ってまた驚いた。晴れ渡る青空に、ロボロが浮いている。
『なんで……』
「おいロボロ！おま、なんでそんなところにおるんや！」
「探したんやで！みんな、村の大人全員で！」
「……すまんな、みんなにもすまんっていうといてくれ」
「自分で言えばええやん！早く降りてこいよ！」
「……すまんなシャオロン」
「ふざけんなよ……っ！」
「どういうことだロボロ、そんなに空が飛びたかったのか」
「そういえば、最初はそうやったなあ。飛んどるAを見てしつこく教えてくれって迫ってたわ」
「にしても、これはやりすぎだ」
「……かもな」
『ロボロっ、なんで、いやだ、』
「大切なものを盗んでごめんな、でもこうするしかなかったんや」
『こうするしかって……私はロボロに生きて欲しかったよ』
「すまんな。向こうのほうで川に流されて体はもうないかもしれへんけど、このお墓の隣にオレのも作っといてや」
『やだぁ……！』
「……Aさん！？足透けてません！？」
『え？』
エーミールに言われ、自分の足を見る。すると確かに爪先が薄くなっている。そしてどんどんそれは上にあがっていく。
「グルッペン、お前ならわかるやろ？」
「わからん」
「即答すな！」
「身投げする気持ちはわからん……だが、大切な人を失う怖さはわかる……見えなくなる怖さも」
「……おん」
涙が止まらない。それはみんなも同じで、声を出さないように口を噛み締めている。唐突にきた別れは、全員の胸を締め付ける。
「今度はオレが社にいるから、みんな来てくれ」
「……わかった、全力でお前を守るぞ」
「頼んだわグルッペン」
「……じゃあAちゃんはどうなるん？」
大先生が濡れた瞳でこちらをみる。
「生まれ変わるんや。今度こそ、平凡な人間として」
『なんでよ、いやだよ』
「A、大好きやで」
『やだっ……』
「しあわせに」
『なれない、ロボロがいないと、』
「お前なら大丈夫や」
『いや！離してよグルッペン！』
「ロボロ、また会いに来るぞ」
「……出会ってくれて、ありがとうな」
。
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ベルギーチョコ(プロフ) - ティッシュ一箱使い切るまで泣いてました。今までで一番泣いたと思います。本当に素晴らしい作品をありがとうございました (2021年12月13日 4時) (
レス) @page30 id: a8b18d6813 (このIDを非表示/違反報告)
えみ(プロフ) - 今まで読んだ作品の中で一番綺麗な世界観と文章でした。もっと早く出会いたかった…こんなに素敵な作品をありがとうございます。 (2021年6月17日 19時) (レス) id: 325d54ee5c (このIDを非表示/違反報告)
人妻すここ(プロフ) - bloomさん» はじめまして、最後まで読んでいただけて嬉しいです。そう言っていただけて、同じ文字書きとしてとても嬉しいです、こちらこそコメントありがとうございました！ (2021年3月26日 5時) (レス) id: 89365ba13c (このIDを非表示/違反報告)
bloom(プロフ) - 素敵な作品に出会えました。この作品に感化されて私も話を書いてみようと思えました。ありがとうございます！ (2021年3月26日 0時) (レス) id: 8bbe5d5c73 (このIDを非表示/違反報告)
人妻すここ(プロフ) - あるかさん» コメントありがとうございます！確かに少なめですね、見つけていただいてありがとうございます。後書きまで読んでいただけたのでしょうか、感謝です。幸せなラストだと仰っていただけて嬉しいです、これからも頑張ります！ (2020年3月30日 16時) (レス) id: 89365ba13c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すこ | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/home
作成日時：2020年2月2日 8時
