5.部活と推し ページ5
────…
「いやぁ…すごい現場を見てしまったね…」
「うん…」
心做しか二人とも疲弊していた。
そんなことは今はどうだっていい。
今重要なのはあの影山とかいう美少年だ。
なんなんだ、あれは。
けしからん、いいぞもっとやれ(?)
「…で？見学はできなかったわけだけど、明日もリベンジするの？てか入りたい？あんな変な部活」
「変な部活言うな。…うーんそうねぇ…」
少し考える。
「部活見学もそうだけど、アンタなんかあの長身で目つき悪い奴をやたらと見つめてたけど…」
「あぁ、さっきも言ったけど、彼を見たその瞬間からビビッときてね。推しになった」
「は？」
先程と同じ反応をされてしまった。
推しを見つけたと言う発言はそんなにおかしいことだろうか。
桃華の反応に理解ができない。
「…そうよ、推しができてしまったのだからあの部活に入ることなんてできない…！」
「は…？？意味わかんないんだけど」
女優のように、役になりきったような感じで言ってみる。
それを見た桃華は怪訝そうな顔をしている。
「いやね、推しのそばにいるとか烏滸がましいと思うんよ」
「だめだ、アンタの思考が理解できない。つまり見学も入部もしないって事でOK？」
「はい」
「はぁ…」
問いに即答すれば、桃華は頭に手を当ててため息をついた。
悪いね、私の思考は私にしか理解できないようになっているんだ。
何はともあれ、
そうと決まれば、明日、教室で見つけたら即捕まえてやる…と固い決意をしたのであった。
────…
「おはよう、翔陽君」
「え？あ、お、おう…オハヨウ…」
雰囲気が妙であることを察した日向は片言で挨拶を返してきた。
…？なんだか眠そうな顔をしているが、どうかしたのか。
「翔陽、寝不足？」
「へ！？え、あ、いや…べべべ、別に…」
「…」
目を泳がせ、明らかに動揺している翔陽。
何を隠すことがあるのか分からないが、取り敢えず本題を伝えることにした。
「んー気になるけど、まぁいいや。聞きたいことあるんだけど」
「まぁいいや？？…なんだよ」
私の返答に少し不満に思ったのか、少し目を見開き複雑な表情をした翔陽。
その後はすぐにむすっとした表情でこちらの用件を聞く。
表情がコロコロと変わるのが面白い。
「影山という人のことについて聞きたいのだけれど、教え」
「は、影山！？」
最後まで言わせてくれよ。
続く (更新停止中)
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作者名：カルファ | 作成日時：2022年11月10日 18時
