お昼 ページ13
それから、いろいろ授業をやらされた
向こうでも勉強はしていたが、こんな暗号だらけの物じゃなくて
術のこととかだったから、全然訳が分からねえ
跡部は紙が束になったようなものに、すらすらと文字を書いていく
こいつは頭いいのか
俺は窓際の席だからずっと、窓の外を見ている
跡部のおかげで、授業をまじめにやらなくとも怒られることは無い
跡「おい、いくら注意されねえからって自由過ぎんだろ。黒板くらい見てろ」
小声で言われたので、とりあえず黒板らしきものに目を移す
やはりそこには暗号しかなかった
今は”すうがく”と言うものを学んでいるらしい
人間はなぜこんなことを学ぶんだ。こんなの将来役に立つのか?
そんなことを思っていると、鐘の音が鳴った
どうやら終わりの合図らしく、大人に礼をして皆がざわつきだす
跡「昼休みだ。付いてこい」
言われた通り、跡部に付いて階段を上ると
跡部の開けた扉の向こうには空があった
貴「ここは?」
跡「屋上だ。普段はあまり使わないが、昼休みに息抜きとしてくることがあるんだ」
すると、跡部はその場に座り込み弁当らしき物の包みを開いた
あれ、重箱?
貴「…その弁当も跡部の特権化?」
跡「あ?あぁ、確かに他の奴はもってねえな」
貴「そ、そうか」
重箱っつったら普通お節とかだからな!!
妖怪だってそれぐらいわかるぞ…
それにしても、この量を1人で食うのか?
貴「1人で食えんのかそれ?」
跡「食えるわけねえだろ。部員と食うんだ」
貴「ぶいん?」
跡「お、噂をすれば来たみてえだぜ」
扉の向こうから、話声と足音が聞こえる
扉が開き、そこには昨日の奴らがいた
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作者名：青ノ輝石 | 作成日時：2014年10月18日 14時
