跡部が出会ったのは氷の力を持つ妖狐男主 (ページ11)

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朝の甘い時間ページ11

なんか長い台の上にどこかキラキラしたように見える食事が並べられている
俺は横で朝食をとっている跡部の横顔を見ることしかできないから、見ていると

跡「どうかしたか?」

貴「お前を見ることしかすることがないからな」

跡「…甘いものでも食べてるか?」

貴「甘いもの?」

すると跡部は、後ろにいた執事に耳打ちした。少しすると俺の前にいくつかの皿が並べられた
その上には、カラフルで形も様々。甘い香りを漂わせるものが乗っかていた

跡「初めての物ばかりだろ?洋と和、両方を用意させた。
食べて気に入ったものがあれば言ってみろ。今度からそれを用意させる」

貴「うん…」

渡された、先のわれた金属で食べやすい大きさにして口に入れる
一つ目は、ショートケーキと言う薄い黄色の台に白いモノが塗られ、赤い果実が乗っかっている

口の入れると、ふわっとした感覚と鼻を優しく通る甘美な香り
おいしかった。

それに続けてどんどんと、皿の上の物に手を付けた

どれも、上品な甘みや、酸味が広がりおいしかった。

だが、俺が一番気に入った物は…

跡「…チョコレートが気に入ったのか?」

貴「チョコレートっていうのか。凄く美味しい…」

跡部は俺の顔を見て少し意外そうな顔の後、凄く優しい笑顔になり、
「分かった」と言うと執事にまた何かを言い、俺の前の空の皿と入れ替わりに
これもまた様々な形をしていたチョコレートが置かれた。

それに手をつけると、さっき食べたものとはまた違った味だった

さっきは甘かったのに、これはほろ苦い。

俺はこっちの方が甘いのより好みだった

跡「どうだ?チョコにもいろいろ種類があるんだぜ?」

貴「すげぇな。俺こっちの方が好き」

すると、不意に頭をなでられた。
跡部の方を向けば、さっきより柔らかい笑顔でこちらを見ていた

何故か恥ずかしくなり、俺はまたチョコを口に放り込んだ

ほろ苦いはずが、少し甘かった気がする…